イー・ウーマン社長の佐々木かをり氏が、「オンライン配信」をテーマに新聞に持論を述べていた。

この方、詳しくは知らないが、テレビで見たことがあるのか、名前だけは頭にあった。

 

サザンオールスターズがデビュー42周年を迎え、無観客ライブを行ったのをオンラインで視聴したのだそうだ。

横浜アリーナで行われたこのライブ、チケット購入者は18万人で、通常開催と比べて10倍以上売れた計算になる、という。

他にも、歌舞伎や諸講座、ビジネス会議、ヨガ、音楽レッスンetc.様々なオンライン配信を例に挙げ、「私たちは新しい時代に突入した。家で楽しめる新時代。人生を楽しむことに制限がなくなってきた」と結んである。

 

昨日、仕事でも同じ話題が出た。

これまで、打ち合わせや勉強会に、新幹線や飛行機を使って県外へ行き、参加費を払い、宿泊代を払っていたのだが、これからは、交通費も宿泊代も必要ない。往復や泊まりの時間を要しないから、これまでは日程的に参加できなかったものにも参加できる。同様に、他県からの来客も見込める、と。

 

確かにオンラインでのやりとりには、これまで考えたこともなかった利点があることは確か。だけど私はやっぱり、オンラインは「今のところ、やむを得ない手段」としか、どうしても思えない。

 

相対する・直接見る・直接聞く・その会場にいる。それと「画面越し」は決定的に違う、と思う。

コンサートや歌舞伎など、絶対そう。

画面越しでは、役者や奏者の息遣い、会場の空気はつかめない。

 

だから佐々木氏の論には、大きな違和感を感じた。

 

もちろん半年後、来年、ナマでコンサートや歌舞伎が聴ける・観れる、などとは思っていない。

きっと無理。

だから、オンラインは「今のところ、そうするしかないから仕方なく」。決して佐々木氏のように、オンライン万歳!とは、私はどうしても言えない。