2日間連続ピアノコンサート、ということで、昨日のジャン・チャクムルに続き、今日はダン・タイ・ソン。
平日夜の開催なので時間的に相当タイト。定時と同時にダッシュで向かわなければ間に合わないのでギリギリまで迷っていたのだが、次、いつまた日本に来てくれるかわからない。
行かねば絶対後悔する。
いざとなったら仮病を使ってでも…

使う必要こそなかったが、かなり無理をして会場に向かった。
想像通り、昨日のジャン・チャクムルとは魅力の質が違った。
とにかくすばらしい。聴きはまってしまう。
円熟・豊潤・貫禄…感動を表すのに、こんな平凡な言葉しか出てこない語彙の貧しさが全くもどかしい。

しかし、
どうしてこんな音が出せるのだろう。
肉厚の大きな葉っぱの上を転がる水玉のような音。澄んでいて、キラキラしてて。「ふっと手を出して触れてみたくなるような音」なのだ。(ああ、なんて下手な表現)

今日は手もとがよく見える席だったので、ガン見していた。
結構、ごつい指(スミマセン)。
ただ、全ての関節がしなやかで、鍵盤の上を軽やかに動き回る。
そうそう、動き回っているという感じで、弾いている・鍵盤を押さえているように見えない。それなのに、強・弱・硬・軟、変幻自在に音が流れ出す。
それでも曲に飲まれてしまわず、どこかに冷静さを維持している感じがもうたまらなかった。

冒頭のシューベルト『ピアノソナタ第15番』2曲目の『Andante』から、すでにウルウル。ショパンのワルツが始まったら、以降、制御不能。
明日の紀尾井ホールでの演奏会までついていきたくなってしまった。

日・月・火とすばらしい音楽ばかり。
泣く私が変なのではなく、泣ける音楽&音楽家の演奏会を選べたことに感謝。

…ただ…
今日のピアノは「STEINWAY」だったのだが、昨日「Sihgeru  Kawai」を見た後だと何だか小っちゃく見えてしまった。
ああ、なんて贅沢な(;^_^A