「文楽入門講座」に行ってきた。
講師は三世桐竹勘十郎さん。

ね、この写真を観ただけでも人形の頭と会話している如く、でしょう。
文楽ってまさに「神業」。
勘十郎さんが人形を手にすると、本当に人形に命が宿るんだもの。
微妙な首の傾き、手のしなり、目の動き。ドキドキしてしまう。
今日は、文楽の「舞台裏」などもいろいろ教えていただいたのだが…
初めて知ったこと。
その1。
人形は「主遣い(頭と右手)」「左遣い(左手)」「足遣い」の3人で動かすのだが、主遣いは、びっくりするくらい背の高い下駄を履いて演じる、ということ。
役にもよるが、もっとも高いもので高さ30センチくらいあるように見えた。
あれを履いて、人形を高く持ち上げたまま走ったり、後ろに下がったりするなんて。
おまけに、左遣い、足遣いがぴったりくっついている。
最近、ハイヒールを履くのが苦しくなってきた私の悩みがちゃちに思えてしまった。
その2
一体の人形を動かす3人の呼吸の合わせ方。
主遣いの合図がなければ、左遣いと足遣いは動いてはいけない。
合図といっても「いちにのさん!」とやるわけではもちろんない。
この合図、言葉ではうまく説明できないのだが、とにかく絶妙。
厳しい稽古のたまもの。
こんなすばらしい芸術を、軽視する発言をした政治家先生、いたわね。
全く信じられない。
ところで、
勘十郎さん、お話もすごく面白かった。
若いころ、先輩にされた「あたたかいイジメ」や舞台でのトラブルや。
勘十郎さんの人となりそのものが人形の命をつくり、それが観客を魅了することが、
この2時間超のワークショップですごくよくわかった。