スイミングのサウナで一人ウトウトしていたら、レッスンを終えた女の子2人が入ってきた。
うーん、小学3年生くらいかな。
この時期、子どもはほとんどサウナを利用しないのに、珍しい。
…なるほど、彼女らは、どうやらひそひそ話がしたかったのだ。
しかし私はウトウトしているだけなので、いやでも話が耳に入ってくる。
夏休み、この2人の女の子のうちの一人、リコちゃんちに何人かお友だちが集まって「お泊り会」をするらしい。
も一人の女の子、サエちゃんも、このお泊り会に参加する。
だがしかし、リコちゃん曰く「マユちゃんが来ると、困るんだけど」 。
それを聞いたサエちゃんは、その理由を問うのだが、リコちゃんは「ちょっと…」というだけで、答えない。
すわ、小3女子のシカトかいじめか(@ ̄□ ̄@;)!!?
さあこの展開、当然私の耳は「ダンボ」になった。
どうしたって「寝たふり」をし、続きを聞かねばならない。
答えを渋っていたリコちゃん、サエちゃんの追及にとうとう口を割った。
「だってマユちゃん、大きいから」
なに? それはどういう意味だ? 背が高いのか太っているのか? しかしいずれにしても、それがなぜお泊り会の支障になるのか?
私、完全に目が覚めた。閉じたまぶたの下、ランランと目は輝き、ダンボ耳はますます大きくなる。
「だってうち、ご飯、5合しか炊けんもん」
お泊り会の夕食はカレー。
マユちゃんは大柄でよく食べるから、リコ家にある炊飯器では追いつかず、ご飯が足らなくなってしまう。
だから、マユちゃんが来ると困る。
――ぷぷっ 思わず吹き出しそうになってしまった。
サエちゃん・リコちゃんの会話は、さらにこう続く。
サエ「リコちゃん、サエもたくさん食べるよ。大人用のこれくらいの皿(←手で大きさを示したらしいのだが、寝たふりにつき未確認)に2杯」
リコ「リコもそれくらい、食べるよ。でも5杯も食べんやろ」
えっ、ということは、マユちゃんはカレーを5杯も食べるのか! 私など、最近、ココイチカレーのハーフサイズですらキツいというのに。
サエ「マユちゃん、5杯は食べんやろ」
リコ「ううん、食べる気がする。きっと食べる」
――ぷっ もうダメ。大食漢マユちゃん、そして二人の真剣、かつ、ほほえましい懸念にとうとう寝たふりできなくなってしまった。
リコちゃん&サエちゃんは、サウナが密談可能な場ではなかったことを今更ながら察知し、そそくさと出て行った。
さて結論はどうなったのか。マユちゃんの運命や、いかに。
いやいや夏休みまでは、まだ間があるぞ。
その間に、リコちゃん・サエちゃん・マユちゃんにとって、bestな解決策が生まれますように。
そして、楽しいお泊り会になること、期待しています!