〈シリーズ:比較して気になっていること〉

その2.『玄関先』

最近、妙に気になっている玄関先が2軒ある。
一軒目は新築の住宅。玄関先は幾何学模様にコンクリートが敷かれ、その隙間に芝生が植えてある。
なのにそこに、ホームセンターで買ってきた「小学校の運動会の時、つくられるテント」そっくりのものが立てられているのである。そして、テント一周、柱に洗濯物がぶらさがっている。それも、「洗って引っ掛けただけ」みたくTシャツの肩は下がっているわ、タオルは引きずっているわ、ひどい干し方なのである。

チェックしたら(←よそのお宅をジロジロ見る物好きなオバサンそのもの)、二階のベランダに物干しスペースがあるではないか。
だったらなにも、玄関先に多量の洗濯物を干す必要はない。
こじんまりしたきれいなおうちなのに、あまりにももったいない。(←さらに余計なおせっかいをするオバサンそのもの)

そして二軒目。

これは全くの偶然なのだが、このお宅の問い面に、中華料理屋さんがあるのである。
ここも前からすごく気になっていた。なぜなら、入口に洗濯機が設置してあるからなのだ。
飲食店で入口に洗濯機、置く? まあ、置くスペースがないのだろう、とは思うが。

昔からある中華料理屋さん。壁も油がしみ込んでいる。洗濯しているおかみさんがなんとも不潔ないでたち。でも、こういう店の方がおいしいのかもしれないな、あるいは出前が中心なのかもしれないな……などと、通りかかるたびしげしげ見ていたのだが、数日前、紙がはられた。

「しばらく休業させていただきます」

カレンダーの裏に太いマジックで書かれたこの張り紙、油のしみたガラスのせいで、今にもはがれそう。
さんざ勝手にけなしてきたが、こうなるとなんだか淋しい。
店主、病気なのかな、なんて。

こうしてオバサンは、玄関先を探索し、怒ったり泣いたりするのである。