うちの客様T社のHさん。
父が代表を務める建築関連の会社を、実質切り盛りしている30代の女性。
この人から電話がかかってくると、毎回ムカッとする。

「あ―、あのさぁ―、予定入っちゃったから、欠席するわ」

「もぉ、この花粉、何とかしてよ。鼻づまりで、も―、いや、どうかして、あ―、もう本当にいや」

何を欠席するんだ!用事は何なんだ!
ってか、まず名乗れってんだ!

確かに、力関係で言えば、おたくさまは私より「強い」ですが、年齢的に言えば、私は「姉レベル」。ひょっとしたら「母レベル」(←悲しいハナシだが)。
なにより、「仕事上の関係」でしかない。それも、私とはほとんど接点がない。きっと彼女は、私の名前すら知らない。

私は「友」ではない!(`Δ´)
それなのに、毎回、タメ口で上から口調。
全くイラつく。

…と、今日、彼女からの電話を切った後、思わず吠えてしまったのだが、それを聞いていたオトコ後輩が苦笑しつつポツリと言った。

「Hさん、たぶん『境界線上』ですよ。他人との距離がうまくとれない」

わ…………
そうか…そうだ、きっと。

彼の一言で、全て氷解した。
彼女、生きづらさを抱えて生きているのかもしれないな。