日帰りで東京へ。
天皇誕生日だから…ではなく、国立劇場で『増補双級巴(ふたつどもえ)―石川五右衛門』を観るために。

この頃歌舞伎を観るたびに思う。
年配の役者さんもかなりいるが、どうやって体力を維持しているのだろう、と。
重い衣装にかつら。起伏のある舞台装置。
歩くだけでも大変なのに。

今日など、石川五右衛門、宙乗りしたのである。
大きな葛籠を背負ったまま。
五右衛門を演じるのは中村吉右衛門さま(…ま、だから観に行ったのだが)
御年75歳。
ふつうなら、あり得ない。
ハラハラしてしまった(--;)

だから、大詰『藤の森明神捕物の場』の方が安心して堪能できた。
斬り合いの形の美しいことといったら。
追われる五右衛門を中心に、追っ手の皆さんたちと舞台全体に絵を描いたような美しさ。

今年のラスト歌舞伎。
締めは、すばらしいこの言葉で。

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今年もいろいろな役を勤めさせて頂きました。型を学び、気持ちを込めて勤めても、滲み出てくるものや深みがまだまだ足りないと痛感しています。僕自身が成長し、人間的に大きくならなければと気付かされました。(中村種之助さん)