例えば離婚した、とか、流産した、とか、事故をおこした、とか、大病が発覚した、とか。
自分にとっては一大事なのに、不安や悲しみで押しつぶされそうなことを打ち明ける相手は限られる。
信頼した人にしか言えない。
少なくとも私は、相手を信頼しているから話した。
その人は、真剣に聞いてくれた。
自身の経験から、アドバイスもしてくれた。
励ましてもくれた。
それから数ヶ月が経ったある日、雑談しているとき、その人が「私がやっかいな一大事に直面したことを全く覚えていない」ことを知り愕然とした。
仕方がない。その人に悪気はない。
私にとっては一大事でも、他の人にとっては他人事だ。
この人はいつまでも親身に考えてくれる…と、私が勝手に思い込んでいただけだ。
思い出してもらえるよう、さらっと示唆するべきだったのかもしれないが、その気力も失せるほどその人の記憶に私の一大事の影はなかった。
なんだかとても悲しかったが、一方で、私も誰かに同じことをしているのかもしれないと思い、怖くなった。
自分にとっては一大事なのに、不安や悲しみで押しつぶされそうなことを打ち明ける相手は限られる。
信頼した人にしか言えない。
少なくとも私は、相手を信頼しているから話した。
その人は、真剣に聞いてくれた。
自身の経験から、アドバイスもしてくれた。
励ましてもくれた。
それから数ヶ月が経ったある日、雑談しているとき、その人が「私がやっかいな一大事に直面したことを全く覚えていない」ことを知り愕然とした。
仕方がない。その人に悪気はない。
私にとっては一大事でも、他の人にとっては他人事だ。
この人はいつまでも親身に考えてくれる…と、私が勝手に思い込んでいただけだ。
思い出してもらえるよう、さらっと示唆するべきだったのかもしれないが、その気力も失せるほどその人の記憶に私の一大事の影はなかった。
なんだかとても悲しかったが、一方で、私も誰かに同じことをしているのかもしれないと思い、怖くなった。