テレビで「初めて」歌舞伎を観た。
ナマ歌舞伎はしょっちゅう観ているのに、テレビでは初めて。
それはそれで、なかなか新鮮だった。
ナマ歌舞伎のときは、ご贔屓の役者さんを筆頭に、どうしても「役者さん」中心で観る。
それに、ナマ歌舞伎のよさは、舞台全体が目に入ること。
テレビだと、舞台の一部が切り取られ、アップになる。結果、「人為的に一部分が強調される」ことになる。
…一長一短、どちらもなかなかよろしいではないか。
それはさておき、じっくりテレビで観ているうちに、今更気づいたことがある。
「音楽を奏でる人」ね、つまり、三味線とか鳴物とか長唄とか、「指揮者がいない」上に、横並びだからアイコンタクトもできない。なのにどうして、テンポがあうのだろう。
セリフの途中で鳴物が入るときなど、同じ演目でも役者によって呼吸が違うだろうに、なぜ合うのだろう。
狂ったら、完全に「間抜け」になってしまう。
考えてみたら、我々観客は、生まれながらの環境で培ったものを練習に練習を重ねて磨いた「ものすごい奇跡」を観ていることになる。
…そう考えたら、なんだか気持ちが新たになった。
本日、テレビで観たのは高麗屋三代襲名披露公演『勧進帳』。
やっぱり来月、秀山祭に行こっ!
観どころがありすぎ傾く綺羅舞台
鞠子