今日はメゾソプラノ・藤村実穂子さんのリサイタルへ。
実は「知らない人」だったのだが、先生のお薦めもあり、急遽、チケットを購入した。

シューベルト、ワーグナー、ブラームス、マーラーの作品で20曲。
むしろ華やかさはなく、なんとも深い曲ばかりだった。
藤村さんの声に、いかにも合っている選曲。
また、ヴォルフラム・リーガーさんの伴奏が、空気の中に柔らかい音を優しく染ませるようで、すごくよかった。

…が…

聴いていて、なんだか「懺悔せねばならぬ」ような気になったのである。

とにかく「ストイックな感じ」なのだ。
出入りから始まって、前奏が始まるまで、前奏中、歌…姿勢も歌い方も呼吸も、「けっして妥協はしないぞ」という自分に対する厳しさが、ひしひしと伝わってきた。

だから、「いい加減に聴いたら許さない」と言われているみたく感じたのである。

ステージ直前の席だったから、一挙一動が見えすぎてしまったのがいけなかったのかもしれない。

これまでにも、いろんな演奏会に行き、自分勝手にあれこれとシロート判断してきたが、こんなに緊張しつつ聴いたのも珍しい。
…歌声も伴奏も素晴らしかったから、なおのこと。





たかが歌されど祈りに近くある
鞠子