ずいぶん前になるが、地元のJR駅構内に、「八百屋さん」ができた。
この店、野菜と果物しか置いてない。それも、きれいなショーケースや陳列棚があるわけでなく、段ボールの上に山積み、といった状況。
ほとんどのものがバラ売り。
ブロッコリーや大根など、葉もくっついたままで、非常に無造作な売り方なのだ。
ここ、もともとは、地元の名産土産を売る店だった。
あんまりお客さんが入っているように見えないな…と思っているうち、案の定、閉店となり、しばらくシャッターが下りていた。
そのあと、店内が更地にされ、この店が出現した。
県内一の主要JR駅に、八百屋。
そういう意味ではミスマッチだと思うのだが、実際は、いつもお客さんでいっぱいなのである。
かく言う私も、行くたびに寄って、あれこれ買う…というか、買ってしまう。
なぜかと言うと……
売り手の男性、コワモテなのに、なにしろよくしゃべるからなのだ。
この前も、数種類ならんだミニトマトを見ていて、箱に入ったちょっとお高いミニトマトが気になったのだが、この男性、すかさず、「おねえさん、一度、食べてみる?味、全然違うから」と1個差し出してきた。
確かに、強烈なトマトの味がして、すごくおいしかった。
で、結局お買い上げ。(←ま、「おねえさん」と呼ばれたことに気を良くしたことも事実だが)
そのあと、品種の違ういちごの前で迷っていたら、「どっちも甘いけど、この品種は果肉が硬めで味は淡白、むこうの品種はゆるくて濃厚な味」とすかさず説明。
硬い方にする、といったら、たくさんならぶ商品の中で、特によさげなのを選んでくれた。
隣り合わせた奥様など、それを聞き、結局、どちらもカゴに入れていた。
こうなると、スナップえんどうを買い、きんかんを買い、見たことのない柑橘を1個だけ試しに買い…となってしまうのである。
確かに昔の八百屋さんはこんなふうだった。
野菜や果物だけでなく、お肉も魚も、その日オススメのものを目利きしてくれた。
この人が言うならおいしいに決まっている、と、当たり前のようにして買っていた。
今、そういう店は見かけない。
そんな目利きができる人も、少なくなっているのではないだろうか。
結局私は、毎回、重い野菜や果物を抱えてバスに乗っている。
店を出しているのは社員数100名強の地元の青果物卸会社。
よくしゃべるコワモテの男性こそが、その会社の社長だということも、今日、初めて知った。
トマトとかセロリの香すごく好き
鞠子
この店、野菜と果物しか置いてない。それも、きれいなショーケースや陳列棚があるわけでなく、段ボールの上に山積み、といった状況。
ほとんどのものがバラ売り。
ブロッコリーや大根など、葉もくっついたままで、非常に無造作な売り方なのだ。
ここ、もともとは、地元の名産土産を売る店だった。
あんまりお客さんが入っているように見えないな…と思っているうち、案の定、閉店となり、しばらくシャッターが下りていた。
そのあと、店内が更地にされ、この店が出現した。
県内一の主要JR駅に、八百屋。
そういう意味ではミスマッチだと思うのだが、実際は、いつもお客さんでいっぱいなのである。
かく言う私も、行くたびに寄って、あれこれ買う…というか、買ってしまう。
なぜかと言うと……
売り手の男性、コワモテなのに、なにしろよくしゃべるからなのだ。
この前も、数種類ならんだミニトマトを見ていて、箱に入ったちょっとお高いミニトマトが気になったのだが、この男性、すかさず、「おねえさん、一度、食べてみる?味、全然違うから」と1個差し出してきた。
確かに、強烈なトマトの味がして、すごくおいしかった。
で、結局お買い上げ。(←ま、「おねえさん」と呼ばれたことに気を良くしたことも事実だが)
そのあと、品種の違ういちごの前で迷っていたら、「どっちも甘いけど、この品種は果肉が硬めで味は淡白、むこうの品種はゆるくて濃厚な味」とすかさず説明。
硬い方にする、といったら、たくさんならぶ商品の中で、特によさげなのを選んでくれた。
隣り合わせた奥様など、それを聞き、結局、どちらもカゴに入れていた。
こうなると、スナップえんどうを買い、きんかんを買い、見たことのない柑橘を1個だけ試しに買い…となってしまうのである。
確かに昔の八百屋さんはこんなふうだった。
野菜や果物だけでなく、お肉も魚も、その日オススメのものを目利きしてくれた。
この人が言うならおいしいに決まっている、と、当たり前のようにして買っていた。
今、そういう店は見かけない。
そんな目利きができる人も、少なくなっているのではないだろうか。
結局私は、毎回、重い野菜や果物を抱えてバスに乗っている。
店を出しているのは社員数100名強の地元の青果物卸会社。
よくしゃべるコワモテの男性こそが、その会社の社長だということも、今日、初めて知った。
トマトとかセロリの香すごく好き
鞠子