昨日、接骨院で施術中、T先生が妙なことを言い出した。

「こういう難しい痛みの人、好きなんですよね」

一瞬、ハテ?と思ったが、続きを聞いて、複雑な気分になった。

「肩痛、腰痛、8割方は『どこが原因か』、すぐわかる」
…なるほど。

「残りの2割は鞠子さんのように、なかなか糸口がつかめない」
…私の場合、こんなに痛いのに、クロールも平泳ぎも背泳もできるのである。

特殊な動かし方、たとえばヒジを曲げた状態で肩を持ち上げるとか、頭の後ろで両手を組んでヒジを後ろにそらすとかすると、激痛が走る。
この特殊な動かし方、日常生活の中で何か動作をしてみて初めて気づいたりする。
気づいたときには遅い。
しばらくロダンの『考える人』ごとく、痛みが鎮まるのを待たねばならない。

「夜、筋肉図や神経図を見て、『次はここを中心に整体してみよう』とかシュミレーションするんですよね」
…ほんとか?

「痛みの原因がすぐ判明する患者さんは面白くない。鞠子さんみたいな人、ファイトがわきます」
…要は、実験台なのか、私は。

意地悪く考えれば、「なかなか治らない=通う日数が長い=上客様」なんだろうけど。

なんだかなぁ、息子みたいな年齢のT先生にこのよなこと言われて、大変複雑な気分。
施術してもらうと、そのあとは確かに可動域が広くなる。
しかし、痛みはなくならない。何かの動作のあと『考える人』の繰り返し。
ほとんどあきらめモード。



肩なのか上腕なのか首なのか     鞠子