御招待に預かって、今日は県交響楽団演奏会へ。

仕事を持つ多数の人が関わって音楽をつくりあげていく大変さ。
同じくアマチュアで音楽に関わる者として、本当によくわかる。

…が…

だからこそ、気になることも多々ある。


まずは、「選曲の怖さ」について。

メンバーのレベルの違い、練習に対する熱意の違いがあるのは当たり前だ。
だとしたら、レベルの低い楽器にスポットライトが当たる曲は選ぶべきではない、と思うのだがいかがなものか。

今日の金管楽器は、聴いててハラハラした。


二つ目は、「プログラムの構成」。

著名なソリストをよんでいて、その人が出るのは第一部の2曲目だけ。
だから、第一部の終わりに、このソリストへの花束贈呈、アンコールがあったのだ。

会場は大盛り上がりだったが、こうなると、演奏会そのものが終わった気になってしまう。

だから第2部が始まったとき、気持ちが切り替わらなかった。
聴いてる方以上に演奏する側は、メンタル面の調整ができないのではないだろうか。


そして三つ目、「団員の私情」。

2曲目の前、私の近くに「団員」が来て座った。
ステージ衣装のまま。
そして、曲の途中で泣き出した。
音楽に入り込み、エア演奏し、ソロのところは祈り、難所を通り抜けると小さく拍手し…

これ、聴衆はしらける。

2曲目は出番がない楽器なのか、事情で出ないのかわからないが、泣ける気持ちは理解できる。
この間、きつい練習してきたんだろうし、思い入れも深いんだろう。

だが、それは「個人の」、あるいは「団の」事情であり、聴衆に見せてはいけない。
舞台のそでで聴くべきだ。

衣装のまま出てこられると、演奏会ではなくて「発表会」か「文化祭」に思えてしまう。


最後、これこそ唯我独尊発言。
指揮がとってもつまんなかったのである。

どういう音楽にしたいのか、見えてこなかった。
それどころか、もしかして、この曲、嫌いなのかと思っちゃったほど。

堅実な振り方。
でも全然、おもしろくない。


一人だったら、こんなこと、アンケートに書きまくるところだったが、友人Tちゃんと一緒だったし、会場で別の友人Mさんにも会ってしまったので遠慮してしまった。

だって、Mさん、息子がバイオリンで出ている、って言うんだもん。


奏でても伝えられない音がある          鞠子