ここ数日、何回か、客様K氏から私を名指して電話がかかってくる。
要件は毎回一緒。
ITがらみなのだ。
客様だけが利用できる交流サイトみたいなものがあるのだが、K氏、これがどうしても使えない。
最初の電話は、このサイトに記された事柄を問い合わせるためにかけてきたもの。
そもそもK氏は、このサイトを「永久に使わずにすますつもり」だった。ところがある事情で「使わないとまずい」事態に追い込まれたのだ。
最初の電話を私が取ってしまったことがウンのつきで、以後、ずっと名指し。
今日など、トップ画面を出すところから電話で教授したのだが、全然ラチがあかない。
手の動きも遅いうえに、パソコンも古いらしく、動きが鈍い。
電話をしているうちに、私がイライラしてきた。
ふだん、私としては当たり前にしていることが、K氏にとっては「初体験」なんだから無理もない… 第一、K氏はお客様じゃないか… と必死に自分を抑えたが、も一つやっかいなことに、このお方、「しゃべり方もすこぶるスロー」なのだ。
とうとうK氏の方が投げ出してしまい、彼がしようとしたことを私が代わりにやって結果を教えてあげる、という結末になった。
結局、この長電話は、全くムダになったのである。
しかし、電話を切った後でとっても複雑な気分になった。
こんなことで長々会話する意味はあるのか。
こんなこと、できなくったって、大勢に影響はないではないか。
それに、IT弱者とわかっていていらだつ私もあまりにもコモノではないか。
おとといのブログで、公共の場でのスマホ使用に怒り狂った旨を記したが、形こそ違えど、私も大差ない。
大事なことを、すっかり忘れてしまっている、みたいな。
味気ない画面が人生斬っている 鞠子