肩・腰の痛み改善に向け、せっせと整形にリハビリに通っているのだが、今日、そこでせつない出来事があった。
一つ目の施術が終わり、次のメニュー、温めのスペースに移動。
そこには、腰にホットパックを巻いた先客がいた。
目が合った。
私はすぐ、わかった。
中学でいっしょだったNくん。
とはいえ、当時、13クラスもあったマンモス校のこと。顔と名前を知っているだけの知り合い。Nくんに至っては、明らかに「ん?どっかで会ったような気もする。誰だっけ?」、という表情だった。
療法士はNくんのすぐ前の椅子に私を誘導した。
いやな感じがした。
少しうつむいた状態で、腰と左肩にタオルでくるまれたホットパックを装着する。
まるで、「小さな荷物2つ、からだにくくりつけて江戸に行く」田舎のおばさんスタイルそのもの。
それよりなにより、いやなのは、「Nくんの視線の先に私のうなじがある」ことだった。
…私のうなじ、今、白髪が目だつのだ。
若い頃、中年女性の傷んでパサパサした髪、無造作にアップしたうなじからほつれている白い髪を見ると「なんてみっともないんだろう」とげんなりした。
しかし、今の私がまさしくそれ。
1年に1回、おしゃれでしていたヘアマニキュアが半年に1回になり、3か月に1回となり、今2か月に1回が限界。
すぐ近い将来にはおそらく毎月、さらには10日に1回となるのは目に見えている。
老いの認識って、完全に自分のことは棚にあげる。
同じくらいの年の人に対し、「わぁ、なんて老けてるんだろう」と冷笑している自分だって、実は同様に老けているのだ。
この状態、普通なら、「この人は誰だ?」と、懸命に考える。
きっとNくんも。
それが「白髪が目だつうなじを見ながら」なんて。
思い出そうと思えば思うほど、凝視するはずだ、白髪のほつれたうなじを。
…なんだかとっても切ないリハビリタイムだった。
即、週末、美容院に予約を入れた。
私だけゆるく流るるはずの時 鞠子