漱石の『彼岸過迄』の巻末にある注解に、刺激的な文言があった。

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○恐れない女と恐れる男

漱石はこのような男女の不幸な組み合わせをよく作品化する。『行人』の一郎とお直もそれである。

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そうかぁ…「恐れない女」と「恐れる男」は不幸かぁ…
なかなか意味深な対比ではないか。

惹かれた。
いろいろ考えてみた。

○わめく女と黙る男
○踏み出す女と止まる男
○泣く女と無表情な男
○駆ける女としゃがむ男
○止まれない女と踏みとどまる男
○変われない女と変わる男
○病まない女と病める男
○産まない女と産みたい男
○死なない女と死にたい男

…わぁ、そこここに、ドラマがあるじゃないの。

単純だけど面白い「言葉の比較」。
想像の世界。




情人を比べて命削る夜叉          鞠子