喫茶店で、親子と隣り合わせた。
40代の父と、中学生くらいの息子。

中学生になると、親とはなかなか出歩かなくなるに違いない。
こういうところでこういうペアに会うのは、久しぶりな気がしてほほえましく思った。

…のもつかの間、
父はスマホに夢中なのである。
対する息子は、何もせず黙っている。

なんだか暗澹たる気分になった。

学校のこと、部活のこと、友だちのこと、彼女のこと…男同士で話せる絶好のチャンスなのに。
目の前にいる息子より、どこかにいる誰かの方が大事なのか。

そういえば、職場のオトコ後輩Eの娘。
5才になるのにまだオムツがはずせないそうだ。
それだけでなく、会話が「単語の羅列」とのこと。

それを聞いて、もしかしてハンディキャップが…と心配になったが、なんと「スマホやiPadは難なく操作する」らしい。

私は大きな懸念を感じる。

いいのか、こんなに「たかが機械」に人生を預けてしまって。



見つめあい言葉を交わすそれが愛     鞠子