今日は昼中、仕事で会議があった。
参加者は女性ばかり6名。うち5名は、年が明けてからはじめて会う人だったので、遅ればせながらまずは新年の挨拶をした。

そういえばこの5名、最後に会ったのは、昨年の10月末。
2ヶ月強、会わなかった。
なんのことはない、たかが、2ヶ月強だ。
それなのに、「えっ?」と思うほど、変わってしまってた人がいた。

その変わりようを表す適当な言葉が見つからないのだが、あえて言えば「やぼったくなった」、あるいは「何かがゆるんでしまった」。

Sさん。
半年ほど前までは、「経営者夫人」だった。

それが、諸事情があって、会社を売った。
内容のいい会社だったので円満な形で売買しており、社員たちは引き続き、そこで働いているし、Sさん夫婦には、会社がその場にある限り、安定的にお金が入ることになっている。

その上、もともと、もう1つ、全く業種の違う別の会社も持っており、一応、そこは今も経営しているので、肩書き的には「取締役」だ。
ただその会社はフランチャイズで、社長(ご主人)もSさんも、「帳簿上の管理をする」程度の仕事しかない。
以前のように、社員の問題であくせくしたり、営業成績がなかなか伸びないとこぼしたり、そら請求書だ、それ集金だと期日に追われる仕事もない。

はたから見れば、「悠々自適」のうらやましいような境遇になったのだ。

だが、Sさんはやぼったくなった。何かがゆるんでしまった。
雰囲気、言動、外見…すべて、以前のような生気がない。

50代で、多くのストレスから解放されるということは、こういう末路か。
・・・愕然とした。

怒り、あせり、追われて仕事をしているわが身のほうがマシなのだ。
…さえないSさんを見ながら、今、自分が置かれている立場に感謝した。




追われつつ嘆息しつつ身を磨く   鞠子