一年に何回か、東京で会議がある。
今日、そのレジュメやら議事録やらを見ていてうんざりした。

…というか、前からうんざりする内容だったのである。
その上、毎回、50枚以上の資料がある。事前に読んでこいと命令がある。
もうこの段階で読むに耐えん。
こんなのに「行け」と言われたら、それはそれは多大な苦痛を伴う。

幸い、私は行く立場にない。
書類を見てうんざりしているだけだ。
こんなのに行かなくちゃならない上司はなんと気の毒に…と思うのだが、この方、意外と嬉々としてお出かけになるのである。

不思議だ…
なぜ、こんな会議にイキイキと出かけられるんだろう。

ところで、
今朝の新聞に、一営業マンが心中を語っていた。
車の営業らしい。
ものすごいノルマが課されるのだが、この方、常にトップクラスの営業成績を収めている。
その秘訣は「とにかく世間話」なのだそうだ。

車の話はまずしない。
足繁く通い、雑談しているうちに、「そういえば、車検だ」みたいな話になって、その後、「娘も来年、免許とるから車がいるな…」などと次の道が開けてくる、というのだ。
こうして長い月日を費やして一家の車所有願望を征服していく。

これが営業の王道なんだろうと思う。
ただし、本人は言っていないが、前提として「雑談が面白い人」でなくっちゃ成り立たない営業戦略ではあるな。

…だが、前提のそのまた前提として、私には「営業」という仕事はできない。
「行け」と言われたら、それはそれは多大な苦痛を伴う。
それがやっぱりこの一営業マンさん、この仕事が楽しいとはっきりおっしゃるのである。

「今の仕事に転職してよかった。歩合制できついけど、数字で成果がはっきり見えるから。よし、次はもっとがんばるぞ!という気になる」

うちの上司も、この営業マンさんも、私には全く理解できない心持ち。
こんなにも、ものの考え方、感じ方は違うのだなと、改めて感動してしまった。

…まあ、当たり前のことなんだけど。



オレンジも柿も好きでも牡蠣はバツ  鞠子