【今日、心がざわっとしたこと・3題】
(1)みかん
出勤途上にあるスーパー。
大きなガラス越しに店内が見える。
入り口すぐのところに、ネットに入ったみかんが山積み。
もちろん私の出勤時は、まだ開店しておらず、スタッフの姿もない。
…ということは、あのみかん「昨日の売れ残り」、ということなんだろうか。
昨日、全部、売り切れたとは思えない。
つまり、少なくともあの山のどこかには、昨日の売れ残りが少なからずいる。
古いじゃないの、と文句を言うつもりはない。
売れ残りとそうじゃないのと「値段が同じ」ということに、心がざわっとしたのである。
(2)私の左足
仕事用で目の前の銀行に、ズルして室内履きのまま行った。(うちの職場はもともと土足なんだけど)。
いつもはなんらかヒールのある靴で出かけるので、乱暴にまとめれば足音は「カツ・カツ」。
ところが今日は、足裏全面ペッタンコの室内履きだったから、足音が違った。
…というより、「左足しか足音がしない」ということに初めて気づいたのである。
つまり、左足だけ「地面をすりながら歩いている」ということだ。
足の不具合で言うと、私の場合「左足・外反母趾気味&大腿部痛」で「右足・ヒザ痛」だ。
外反母趾&大腿部痛がヒザ痛を、あるいはヒザ痛が外反母趾&大腿部痛をかばっているらしい。
あるいは、からだ全体にゆがみがあるのかもしれない。
こんなに「偏った歩き方をしている」ということに、心がざわっとしたのである。
(3)あぐらか靴下はだしか
…で、銀行。
小さい子どもが、待合スペースの一角にあるおもちゃコーナーで遊んでいた。
若い母は窓口で、なんだかややこしそうな話をして長引いている。
チビちゃんは、次第に傍若無人になってきた。
おもちゃコーナーでは飽き足らず、週刊誌やパンフレットをかかえてきて、餅まきよろしくばらまいている。
多少気にはなったが、私は『細雪』を読むのに没頭していた。四女・妙子が徐々にだらしなくなっていく興味深い場面にさしかかっていたのだ。
そうこうしているうちに、私も窓口に呼ばれた。
同時に、おもちゃコーナーで、母が怒り出した。
「ソウマくん、なんで靴下はだしで歩くのっ! 靴、はかなきゃ、ダメでしょっ!」
ちらばった週刊誌より前に靴下はだしを怒る優先順位のつけ方も、ん?、と思ったが、よく見ると、母はおもちゃコーナーで堂々とあぐらをかいていた。
「正すべきは子どもの靴下はだしか若い母のあぐらか」というおせっかいな難問に、心がざわっとしたのである。
(1)みかん
出勤途上にあるスーパー。
大きなガラス越しに店内が見える。
入り口すぐのところに、ネットに入ったみかんが山積み。
もちろん私の出勤時は、まだ開店しておらず、スタッフの姿もない。
…ということは、あのみかん「昨日の売れ残り」、ということなんだろうか。
昨日、全部、売り切れたとは思えない。
つまり、少なくともあの山のどこかには、昨日の売れ残りが少なからずいる。
古いじゃないの、と文句を言うつもりはない。
売れ残りとそうじゃないのと「値段が同じ」ということに、心がざわっとしたのである。
(2)私の左足
仕事用で目の前の銀行に、ズルして室内履きのまま行った。(うちの職場はもともと土足なんだけど)。
いつもはなんらかヒールのある靴で出かけるので、乱暴にまとめれば足音は「カツ・カツ」。
ところが今日は、足裏全面ペッタンコの室内履きだったから、足音が違った。
…というより、「左足しか足音がしない」ということに初めて気づいたのである。
つまり、左足だけ「地面をすりながら歩いている」ということだ。
足の不具合で言うと、私の場合「左足・外反母趾気味&大腿部痛」で「右足・ヒザ痛」だ。
外反母趾&大腿部痛がヒザ痛を、あるいはヒザ痛が外反母趾&大腿部痛をかばっているらしい。
あるいは、からだ全体にゆがみがあるのかもしれない。
こんなに「偏った歩き方をしている」ということに、心がざわっとしたのである。
(3)あぐらか靴下はだしか
…で、銀行。
小さい子どもが、待合スペースの一角にあるおもちゃコーナーで遊んでいた。
若い母は窓口で、なんだかややこしそうな話をして長引いている。
チビちゃんは、次第に傍若無人になってきた。
おもちゃコーナーでは飽き足らず、週刊誌やパンフレットをかかえてきて、餅まきよろしくばらまいている。
多少気にはなったが、私は『細雪』を読むのに没頭していた。四女・妙子が徐々にだらしなくなっていく興味深い場面にさしかかっていたのだ。
そうこうしているうちに、私も窓口に呼ばれた。
同時に、おもちゃコーナーで、母が怒り出した。
「ソウマくん、なんで靴下はだしで歩くのっ! 靴、はかなきゃ、ダメでしょっ!」
ちらばった週刊誌より前に靴下はだしを怒る優先順位のつけ方も、ん?、と思ったが、よく見ると、母はおもちゃコーナーで堂々とあぐらをかいていた。
「正すべきは子どもの靴下はだしか若い母のあぐらか」というおせっかいな難問に、心がざわっとしたのである。