仕事上のとある事情で、今、私の中では「見て見ぬフリ」という言葉が引っかかっている。
だからか、こんな「見て見ぬフリ」の切り口に出会った。
○せんそうははじまりそうでしょうか?
この問いかけは、作家の野坂昭如とイラストレーターの黒田征太郎が共著で出した『教えてください。野坂さん』という本の中にある。
黒田さんが野坂さんに、「戦争は始まりそうか?」問うたのである。
そして野坂さんの答えの中に、こうあった。
*
人間は長いものに巻かれやすい。
長いものに巻かれていた方が楽だからだ。
つまり、自分の頭で考えなくなると戦争は近寄ってくる。
戦争ははじまりそうかと問われれば、
いつはじまってもおかしくないと答える。
いや、戦争はすでにはじまっているといってもいい。
○知ろうとしなかった責任
ナチスの親衛隊だったギュンター・グラスは自伝『玉ねぎの皮をむきながら』の中で、こんな苦しい告白を綴っている。
*
自分が知らないあいだに、もっと厳密には、何も知ろうとせずに、犯罪へ加担したことをおずおずと認め始めるまでには、時間がかかった。その犯罪とは年とともに小さくなるものではなく、時効になろうともせず、相変わらず私を苦しめている。
どちらも「戦争」という「生きるか死ぬかの瀬戸際」での「見て見ぬフリ」だから、その重さはとてつもないが、もっと身近に、小さな「見て見ぬフリ」がいっぱいある。
少なくとも私は、今、「見て見ぬフリ」をして仕事をやりすごしている。
客様I氏は「見て見ぬフリをしているうちに、見えなくなる」と言う。
私は「見て見ぬフリをする葛藤」も思う。
だからか、こんな「見て見ぬフリ」の切り口に出会った。
○せんそうははじまりそうでしょうか?
この問いかけは、作家の野坂昭如とイラストレーターの黒田征太郎が共著で出した『教えてください。野坂さん』という本の中にある。
黒田さんが野坂さんに、「戦争は始まりそうか?」問うたのである。
そして野坂さんの答えの中に、こうあった。
*
人間は長いものに巻かれやすい。
長いものに巻かれていた方が楽だからだ。
つまり、自分の頭で考えなくなると戦争は近寄ってくる。
戦争ははじまりそうかと問われれば、
いつはじまってもおかしくないと答える。
いや、戦争はすでにはじまっているといってもいい。
○知ろうとしなかった責任
ナチスの親衛隊だったギュンター・グラスは自伝『玉ねぎの皮をむきながら』の中で、こんな苦しい告白を綴っている。
*
自分が知らないあいだに、もっと厳密には、何も知ろうとせずに、犯罪へ加担したことをおずおずと認め始めるまでには、時間がかかった。その犯罪とは年とともに小さくなるものではなく、時効になろうともせず、相変わらず私を苦しめている。
どちらも「戦争」という「生きるか死ぬかの瀬戸際」での「見て見ぬフリ」だから、その重さはとてつもないが、もっと身近に、小さな「見て見ぬフリ」がいっぱいある。
少なくとも私は、今、「見て見ぬフリ」をして仕事をやりすごしている。
客様I氏は「見て見ぬフリをしているうちに、見えなくなる」と言う。
私は「見て見ぬフリをする葛藤」も思う。