先だっての新入社員一泊研修に、外部講師としてT新聞社のNIE(Newspaper in Education)事務局長・Y氏に来ていただいた。

事前打ち合わせの時、T新聞社のK社長の話題が出た。

このK社長、編集局長だった時代に朝刊にコラムを書いておられたのだが、私はそれがとっても好きで、毎回楽しみにしていた。
…ということをY事務局長に話したら、Y氏、「自社の社長をこんなふうに言うのもなんですが…」と前置きして、こう話してくれた。

「あの人は、天才だと思ってます。僕は記者時代、Kさんのような記事を書きたくて、よくKさんの記事をうつし書きしてましたよ。
Kさんは書くことだけでなく、話も面白いんですよね」

…知ってる。私も講演を聴いた。面白いだけでなく、かなり突っ込んだ内容で、ドキドキした。

「すばらしい文はうつし書きする」というのは、エクステンションカレッジのH教授にも言われた。
合唱団のU先生からも、「楽譜をうつすことがいかにプラスになるか」、という話を聞いたことがある。
確かに、これ、バカにならない。
手で書くことで得るものはすごく多い。
…ただし、漱石の作品など、「全文うつさなければならない」ことになってしまうが…(-_-;)

Y事務局長のように、かつては海外の支局にいたこともあり、さらには子供向け新聞の編集にも携わっていた優秀なオールラウンドプレイヤー社員でも「うつして訓練する」という地道な努力を怠らないことに感動した。

その地道さは、
研修で新社会人に向けて「新聞の読み方」を話してもらう講座でも、十分に発揮されていた。
Y事務局長の人となりの謙虚さ、真面目さが伝わってきた。
人間的に、とてもステキな人だった。