仕事で必要に迫られて、『ひんここ祭』を調べた。

『ひんここ祭』とは、
岐阜県美濃市にある大矢田神社で、五穀豊穣を祈願して行われる人形劇。

…と、前からそこまでは知っていた。
人形も、写真で見たことがあった。
しかし、劇のあらすじが、まさかこんなだったとは…

農民が麦まきをしているところへ大蛇が現れ、大暴れ。
襲われ、飲み込まれる農民たち。
そこへ、須佐之男命(すさのおのみこと)が登場し、大蛇を退治する武勇物語だったのだ。

…ここまで知ったら、もう、笑うしかなかった。

こんな豪快な物語なのに、人形たちが、「子どもの工作」ばりのテキトーさなのである。
田んぼから引っこ抜いてきた「かかし」を、幼稚園でリメイクしました、みたいな。
イカしたヒーロー・須佐之男命も、あり得ないほどキモカワなブチャイクぶり(-_-;)

終演後、人形たちは、人気スターよろしく、観客との写真撮影に応じてくれるらしい。

「ひんここ」の名の由来も、お囃子が「ヒンココ、チャイココ、チャイチャイ、ホーイ」と聞こえるから、なんだとか。

…いまどき、このユルさ。なかなかのものだ。

だがしかし、500年の歴史を持つ、国選択無形民俗文化財。
春と秋、年2回、開催される。

…わぁ、もう絶対、本物が見たくなってしまった。

実際に、見たことのある人に聞いてみた。

「その巨大な人形がね、上下するだけでね。なんじゃ、こりゃ、と思いましたよ」