文化庁が、「異字同訓」の用例を公表した。
9項目を新たに追加し、計133項目の用例を載せているのだそうだ。

追加されたもののなかで、「せめる」が紹介されていた。

「攻める」と「責める」。
前者は「攻撃する」という意味で、後者は「非難する、苦しめる」という意味。
それぞれ用例として、「質問攻めにする」「過失を責める」が挙げてあった。

日本語はややこしいねぇ。
でも、ものすごく好きだ、この「微妙な差」が。
だって、文化庁がどうこう言わなくたって、「攻める」と「責める」って、見ただけで、受ける感じが違うもん。

実は私、結構こういう使い分けに気を遣う。
…というか、かなり頑固に使い分ける。

例えば、「デアウ」という言葉。
「旅先で友だちと出会った」というのは、これでよい。
では、「私の人生を左右するような絵に出会った」、はどうか。

私の仕事仲間Hさんは、「相手が『人』の場合は『出会う』、物の場合は『出合う』」と徹底して使い分ける。
私は、相手が『人』でも『物』でも、『出会う』という表記しか使わない。

Hさんの使い分けも一理ある。
でも私は、「出会う」という言葉そのものに「よくも悪くも運命的な」という意味を感じるので、対象が人でも物でも使い分けない。
ただ、「自分に被害をもたらすような事件や事故」の場合は、「出遭う」を使う。
さらに、恋愛が絡むときは、「出逢う」を使う。
それこそ、徹底して使う。

文化庁の報告書を見ると、「アウ」に関しては、「合う」も「会う」もアリ、みたいな書き方がしてあるけど。

ところで、
Hさんはいわゆるリケ女。
私はバリバリ文系女。

表記に対するこだわりも、いかにもリケとブンケ、じゃない?