信頼している人、や、尊敬している人に間違ったことを頑強に主張されると、失望すると同時に深く疲れる。
今日、とあるクラシックコンサートがあった。
何社かのスポンサーが費用を負担しており、入場料は無料だ。
ただ、事前に整理券をもらわなければならない。
スポンサーサイドのI氏とはいろんなしがらみがあって、いつもは黙っていても整理券を送ってくる。
でも今回はこなかった。
正直、ホッとした。
生意気を承知で言っちゃうけど、今回の演奏者、音楽志向が私と全く違うし、好きじゃないので、わざわざ聴きにいく気にはなれないのだ。
そしたら、さっき、I氏から電話が、かかってきた。
「何で来なかったの?」と言うのだ。
「今年は整理券をいただけなかったし、実は、昨日の疲れ(←仕事でビックイベントがあった)がたまってまして。申し訳ありません」と、体調のせいもプラスして、やんわりずるく謝った。
「そのオケ、私と価値観が違うから」などというホンネを口に出す勇気はない。
ところが敵もさるもので、「鞠ちゃんは顔パスで入れるのに」と、言いだした。
でもやっぱり、「おふざけが過ぎて、コンサートはつまらなかった」と言う。
だから、私の価値観と違うのだ、と言いたかったが。
「中にはこういう楽しいステージの方が好きだ、という人もいるし、もともと誰でも気楽に楽しめるクラシック、というコンセプトのオケですから」
…と言ったら、I氏、
「でも、純然たるクラシックを聴きたくて来てる人もいるから、そういう人に失礼だ」
…と言い張る。
地元密着のオケだ。あちこちでしょっちゅうコンサートを開いている。
このあたりの音楽愛好家のみなさんなら、このオケのコンセプトはわかっている。
すなわち、「純然たるクラシックを聴きたい人」は、初めから来ない、と思う。
I氏は、仕事面でも雑学面でも賢い人で、尊敬できる人物だ。ウラオモテがないし、物事を深く考えるタイプで、人間的にも信頼できる。
ただ、音楽に関しては「興味なし&知識なし」。
それなのに、今回は、やたらと強く、何度も主張した。
「純然たるクラシックを聴きたくて来てる人に対して失礼だ」、と。
…なんか、電話で話しているうちに、どっと疲れた。
Android携帯からの投稿