昨夜、第九の練習に行って、すごく勉強になったことがある。

それは音楽記号「sf」。
スフォルツァンド。
ネットで調べると「その音を強く」となっている。

今までにもきっと目にしていたはずだけど、読み方と意味をきちんと聞いたのは、昨日が初めてだった。

そこでふと疑問が。
ベートーベンは、なぜこの部分をsfにしたんだろう、と。
その前に、「強い」って、どの程度なんだろう、と。

そういえば、音楽用語とは、ずいぶん曖昧ではないか。

「f」「ff」「p」「pp」

強く、弱く、より強く、より弱く。
そんなこと言われても、人によってとらえ方はまちまちだ。

だから、自身も楽譜を読み込み、指揮者の求める表現を理解し、体現する精度を上げるしか手はない。
おまけに指揮者の表現も、その時々によって変わる。
同じ曲でも、今日の「強く」と明日の「強く」は違うことも大いにありうる。

そうかぁ。
そうだよなぁ。
こんな当たり前のこと、「sf」をきっかけに改めて考えてしまった。

そして練習後、皆さんとおしゃべりしている中で、またまた新たに気づいたことがあった。

「Iさんは、カラヤン先生に師事している」という話。

Iさんはカラヤンが指揮しているCDの演奏を聴きながら練習している。
そしてそのカラヤンの教えがすべてになってしまっているらしい。

CDは、過去の一回の演奏が録音されたものだ。
だからいつ聞いても、同じsf。
いくらカラヤンが指揮をしていても、CDは生きてはいない。

実際に歌ったり演奏したりする時は、目の前の指揮者は決してカラヤンと同じ表現はしない。
だからCDでの練習が高じたら、それは息づかいがしない。
つまり音楽でなくなってしまう。

…そんなこと、あれこれ考えたりしたのですが、実は第九、なっかなか苦戦中なのであります。