お昼、CSで「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を観た。

ずいぶん前、映画館で「突入せよ!『あさま山荘』事件」を観たんだけど。
佐々淳行の原作だったよね、確か。
期待したのに、何か、「警察・得意気」な感じが鼻について、あんまし後味がよくなかった。

あさま山荘事件。
若者たちが、なぜ命を懸けて革命を貫こうとするのか。
そこまではまりこめるのはなぜなのか。
私にはわからない。それが知りたい。

今日、観た映画は若松孝二監督の作品。
明確に答えが提示されたわけではない。
何も解決したわけではない。
でも「はまりこんでいく過程」「緊迫した場面での人の心の動き」はよくわかった。

観終わったあと、いろいろな問いかけが重く残る。

若松監督といえば、
「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」
「キャタピラー」
を観た。
日本人特有の粘っこさの中に、主張を圧し殺した映画をつくる鬼才、だと思う。

観た後、いつも若松監督の問いかけが、眼前につきつけられたような気がした。

今日の映画。
演じる側の出色は、何と言っても井浦新さん。
この人、強烈な思想と自己矛盾を抱える屈折した役を演じると、すごい存在感がある。
強いくせにもろい一角を持ち合わせたような視線に、スクリーン越しに射られる気がする。

さすが、若松監督が主役に起用するだけあるなと改めて感じた。

それと、
人質を演じた奥貫薫さん。
あきらめと恐怖と絶望が入り交じったギリギリの心理が、見事に表現されていた。

若松監督が亡くなったことが、とても残念。
もっといっぱい問いかけてほしかった。