…ということで、先週末、隣県N市に行った際、地下街&百貨店で「老眼鏡」を物色してきた。

眼科では「市販のものでよい」と言われたし。
問題は「見た目」だ。
お洒落で老眼鏡には見えないものしかイヤだ。
…ってか、これが最重要なのである。

隣県N市は「都会」だから、おしゃれなのがあるに違いない、とふんだ。

…フムフム、やっぱり。
見つけたぞ。
地下街の洒落た雑貨店で。

6種類のフレームが飾ってあって、それぞれ異なる度数のレンズが入れてあり、試せるようになっている。

手にとってみた。
途端に切なくなる。
鞠子サマが老眼鏡、なんて…
情けなくて躊躇する。
なければ手元が見えないわけではないのだ。
不充分だが、今のところ何とかなってる。
しばらく老眼鏡には頼らずに…

…と、逡巡していたところに店員さんがあわてて寄ってきた。
顔が「驚き」に満ちている。

その表情から、
「お客様、それ、老眼鏡ですよ。ダテメガネじゃありません。近視用でもありません。お客様には不要です」

…と言われるものとばかり予想した。

だってさ、
アタシ、若作りしてんだもん。
どう贔屓目に見たって、老眼鏡って感じじゃない。

…と思っていたのは、自分一人だけだったらしい。
店員さんの発した言葉は、

「どのフレームも、いろんな度数がそろってますから、おっしゃって下さればお出ししますよ」

…だった。

ぐわぁん、若作りしても老眼鏡が見た目相応??

もし、
店員さんが、私の予想通り、「お客様にはまだ老眼鏡は不要でしょう」と言ったなら、私はその老眼鏡を買っていた。

でも、「見た目相応」の発言に、意固地なプライドをズタズタにされたアタシは、

「え?これ、ダテメガネじゃないの?だったら要らないわ」

…と心の中で返答しつつ、
にこやかに微笑んだだけで見本の老眼鏡をそっともとに戻し、お店を後にしたのであった。

…駄菓子菓子…
やっぱり携帯とか見にくいし。
変なプライドなど捨てて、買えばよかった、あのお洒落な老眼鏡。