「断りもなく携帯を充電するなんて、泥棒と同じじゃないのか」

憤懣やるかたない客様S社長。

「今どき、それって普通のことなんか?オレがおかしいのか?」

半分、自虐モードだ。

S社長の腹立ち、原因はこんな出来事だった。

S社長は、10社ほどの経営者たちとグループをつくり、某コンサルタントを講師にした定期的な勉強会を行っている。
メンバーは異業種で、年齢構成もバラバラ。会場は、順次持ち回りなのだそうだ。
そして今回は、S社長の会社の会議室が会場になった。

そこで定刻少し前に、会議室に行ったS社長は、信じがたい光景を見た。

会議室にあるあちこちのコンセントで、携帯やらスマホやらが充電されていたのだ。

会場内にいたのは、受講生だけ。つまり「よその会社の人ばかり」ということだ。

「電池の消耗が早いなど、オレの知ったことじゃない。せめて一言、゙充電させて下さい゙と言えんのか」
…そして冒頭の発言、「充電泥棒説」につながっていった。

もし私がS社長だったら、やっぱりムカつくだろう、と思う。
携帯ショップに行っているわけではないのだ。携帯やスマホを仕事で使うなら、充電した機器を持っていくべきだし、もし、出先でどうしても充電しなければならない事態に陥ったら、やっぱり一言了解を得るのは当たり前だと思う。

「常識のないヤツなんだよな。何か情けないよな。うちの社員には、まさかそんなみっともないことしてないだろうなとクギを刺しとこう」

…反面教師にすることで、S社長は多少、溜飲を下げたようです。