新聞に載る小説って、どうやって決めるんだろう。
全紙、違う小説が載るのかなあ。
そのからくりはよくわからんけど、今、我が家が取ってる新聞の1つ、地元新聞社の朝刊に載っている小説は、渡辺淳一作『愛ふたたび』である。

生意気だけどね、
はっきり言っちゃってヒドイよ、これ。
テーマは「男の人が不能になる時」。
今日は10回目の掲載なんだけど、10回何とか引っ張るために書いてたのかと疑いたくなっちやうくらい、しつこい。

朝刊に向くかどうかは別にして、テーマが悪いということじゃない。
『欲情の作法』を読んだ時も思ったんだけど、
渡辺先生、そういう意味では「第一線を退いている」からか、かつての作品のような生々しさ、キレのよさ、精彩が感じられない。
散漫で退屈なんだわ。

…なんて、キツいこと言ってるけど、実は、渡辺先生の書いた医学ものの大ファンだったのだ、私は。

渡辺先生の小説の中に出てくる男の人は、「この人となら堕ちるところまで一緒に堕ちたい」と思っちゃうくらい、ニヒルで影のある魅力的な人が多かった。

…なのに、何?
主人公の「気楽堂」って名乗ってる男の人。
人物像が全く描けないんだけど。

対する殿村夫人。
なんかトドみたい。

渡辺先生には、もうこういうの、書いてほしくない。

…現役渡辺ファンの方、ごめんなさい。自分が書けるわけでもないのに、一人ヒートアップして、言いたい放題で、申し訳ありませんm(__)m