WOWOWで『マイ・バック・ページ』を観た。
この映画、映画館で観るつもりだったんだよね。
でも、南朋さまが出てない映画はどうしても後回しになり、明日ね、あさってね、と言ってる間に結局見逃してしまう。
『マイ・バック・ページ』もそうして見損なった1つ。
今日は念願かなって我が家のテレビで。

私が大学生だったころ、学生運動なんて全く違う世界の話だった。
地方の大学だからかもしれないけど、思想にかぶれた学生は、私の回りには皆無だった。

だから、
映画を観て、いくつか疑問が浮かんできた…

命がけで1つの思想を突き詰めるエネルギーを持った大学生が、かつてはなぜ多かったのだろう。
なぜ私の時代にはいなくなったのか。
物質的に豊かだったからか。
目の前に、楽しいことがヤマとあって、それに没頭していたからか。

学生運動の渦中にいた人たちは肉体的にも精神的にも大きな傷を受けたとは思うが、そこまでのめり込めるものを持ってたことが、ある意味、うらやましい。

そんなもの、私、何も持ち合わせてないもんなぁ。

さてさて、登場した皆さんは、と言うと…
なんと言っても、松山ケンイチの凄みが印象的だった。

活動家・梅山(←松山ケンイチ)が、マスコミサイドに自分たちの活動の正統性を語るとき、話してる自分に酔い、話が大きくなってしまうのが見え隠れするところ、
リーダーとしての威厳を見せるところ、
時おり見せる弱さ、
逮捕された途端に見せる無責任男特有の饒舌、

恐れ入りました_(..)_
俳優として評価が高いのも納得_(..)_

そして最後に、梅山に裏切られ、記者生命を断たれた沢田(←妻夫木聡)が場末の居酒屋(←ふらりと入ったのだが、偶然、昔の仲間だった男が夫婦でやっていた)で飲みながら泣くシーン。
その涙に込められた様々な思い。

…やっぱりな…
つられて私も大泣き…