仕事で関係のあるE社が倒産した。

一週間ほど前、客様K氏から「E社のM社長、連絡が取れんらしいけど、何か聞いてないか?」という問い合わせがあるにはあった。

…その時は、私たちには何の情報もなかったのだが、とうとう、今日の新聞に載ってしまった。
現時点で、うちに実害がなかったのは幸いだった。

ただ、E社のM社長と聞いて、あることを思い出した。

東日本大震災の時だ。

うちの職場は、取り引きがある800近くの会社に、即、救援物資や義援金を呼びかけた。
反応はめちゃめちゃ早く、事務所には様々なものがぞくぞくと集まってきた。
水、毛布、衣類、缶詰、お菓子、インスタント食品、オムツ、ティッシュペーパー、歯ブラシ、生理用品…さながら事務所は「ミニ・ドンキホーテ」状態で、足の踏み場もないくらいだった。
もちろん義援金も、予想以上に振り込まれてきた。

そんな中、E社のM社長が供出してくれたのは、大量の洋服だった。

駄菓子菓子…

実は洋服といっても、「とても着れやしない」ものが大半だったのである。

倍に横伸びしちゃったパンツとか、裾が全部ほつれたスカートとか、破れているジャケットとか…

おまけに、今、洗濯かごから出してきたんじゃないかと思われるような「明らかに洗濯してないTシャツ」も多数。

さらにさらに、袋の下の方に、

子どもの浴衣、帯、髪飾りまで入っていた。

震災の大混乱の中、それも3月に、どこの子が浴衣を着るのか。呆れるほかなかった。

まだある。極めつけは、
着古した古い型の喪服がはいっていたことだ。
うちの職場には福島出身者がおり、両親は不自由生活の真っ最中、見つからない友人もいるような状況下、さすがに喪服を見たときは、彼は完全にキレていた。

申し訳ないけど、「救援物資」というより、ていのいい「廃品整理」なのではないかと疑わざるをえなかった。

…そんなデリカシーのなさだから、倒産するんだよ…というのはあまりにも短絡的すぎるが、正直な気持ちとしては、ほら、やっぱりね、と思わなくもない。