今日はね、BACHを聴きに、横浜へ行ってきた。
曲目は『マタイ受難曲』。
歌うのはライプツィヒ聖トーマス教会合唱団。
オケは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。

わざわざ新幹線に乗って聴きに行くオタッキー鞠子のような人もかなりいるんだろうけど(←帰り、新横浜駅で同じパンフ持ってる人2名と遭遇)、2000席以上、ほぼ満席。
私の地元では考えられない状態だ。

ところで、またやってしまった。
ヤバいこと、予想できたのに、合唱団がステージに出てきた時から、もうメロディが頭に浮かんできて…

…嗚咽…

恥ずかしくて止めよう止めようと思うんだけど、

…号泣…

興味のない人が聴いたら、やたらと長くて退屈な音楽…なんだろうけど、私の場合、何かが琴線に触れるんだろうなぁ…
自分自身がBACHを歌う機会に恵まれてから、なぜか泣けるようになっててしまった。

合唱団は、たぶん小学生から高校生ぐらいだと思うんだけど、全体的に、ずいぶん落ち着いた大人っぽい歌声。むしろ、オケが情熱的で、好対照でした。
ソリストは、エヴァンゲリスト役の、マルティン・ペッツォルトがよかった。言葉が鮮明で、見た目もいかにも福音史家っぽいし、とても気持ちのよい歌声でした。
イエスはマティアス・ヴァイヒェルト。57歳なのにかなり若々しい声で、もう少し重さの感じられる厳かな声がいいな…と思いました。

あ、前段が長くなりましたが、実はここからが本題です。

泣いたりウトウトしたり(?)、口パクで歌ってみたり(??)の3時間強を過ごし、モーロー状態でクロークまで来たら…

オヤジ約1名、ホールのスタッフに大声で怒鳴っていた。

何でも自分の席の前に未就学児童がいて、落ち着きなくソワソワしていたらしい。
「子どもが気になって、折角の演奏が台無しだっ(^O)=3」
…と、吠えている。

今日の演奏会は、未就学児童は入場禁止だ。
本来なら、子どもがいるわけがない。

実際、その子は「未就学」だったのかどうか。
明らかに「未就学」なら、入り口で止められるはずだ。
ただ、よしんば「小学一年生」だったとしても、じっとマタイに耳を傾けるのは難しいと思うけど。

…それにしても、だよ…

終わった後で怒鳴っても、どうしようもないじゃん。
せめて第一部と第二部の間の休憩時に言って、超法規的措置によってどちらかが席を変わるか、もしくは終わった後に言うなら、今後はくれぐれも気をつけてくれと厳重注意するしかないではないか。

いくら怒鳴ったって、もう時間は戻らないのだから…

…どんな決着をみたのかさだかではないが、まさか、「チケット代、返せ」、なんてとこまでこじれたんだろうか…

ちなみに、
オケも合唱団も、ものすごくリラックスして演奏&合唱する。
昨年聴いた、ドレスデン聖十字架合唱団のマタイもそうだった。

今日なんか、合唱団のうちの坊や一人が途中で出てったし(←気分悪かったのか?)、自分の出番じゃない時は、ステージ上で、めっちゃくつろいでる。

子どもが少々騒いだところで、奏者も、そして何よりBACHも、深い懐で受け入れてくれる気がする。

そんな器の大っきい音楽の後で、怒鳴ったりしないでほしかったな(-.-;)

ま、怒鳴らなきゃやりきれないほど頭にきたんだろうけどね。