歌ってきました、モーツァルト『レクイエム ニ短調』とシューベルト『ミサ曲第2番ト長調』。
はっきりしない天候にもかかわらず、700席以上ある客席はほぼ満席。たくさんの皆さまに聴いていただけました。

ところで…
歌うということは、思いを表現し、それを人様に聴いていただくことなのでしょうが、私は永久にそういう境地には達さないと思う。
あくまでも「自分のために歌う」「好きだから歌う」という感覚です。

バッハやモーツァルトを歌わせていただいたこの20年余り、何度同じ指摘をされたことか。それでも、なかなか言われたようには歌えない。
理解することと、実際に歌うこととの間には大きな隔たりがあり、かつ、ここまでくればOKという到達点もなく、前進したり後退したりしながら半歩ずつ前に出ていく感じ。そのとてつもない奥の深さ。だからこそ、歌い続けられるんだと思います。

そもそも20年前は、クラシックを自分で歌うなんて 全く想像していなかったし、全く知らない世界だったんだから。
知らないままだったら、今の私は、違った私になってるだろうなあ。
知ってからも、決して歌向きではない声の私を、見捨てずに仲間に入れてくれたトモたちや先生でなかったら、やっぱり違った私になっていたと思う。

限りある人生の中で、何に出会うか。
出会う人、出会うものによって、全く違った人生になる。
つくづく不思議だなあって思います。

次の演奏会は、12月16日。曲目はBACHの『ミサ曲ロ短調』。技術はもちろん、知力、集中力、想像力、体力等々、総合的な力が問われる難曲です。今までに何度か演奏会で歌いましたが、歌うたびに課題が増える怖い曲。

今日からまた、新たな挑戦が始まります。

…ということで、これから歌トモとスイーツの二次会へ…