今年の3月、仕事の反省会(いわゆる飲み会)で、私が所属している合唱団の話になった。したらお客様のK氏いわく「僕も入団したい」…

経験問わず、入団テストなし。で、誰でも入団できる。
でも私は超アセった。BACHやHAYDNをフルオーケストラで歌うんだもん。正直、生易しくない。ドイツ語やラテン語など、言葉の壁もある。
「毎年演奏会がありますから、一度聴きにきてからにされたら…」とやんわり言ってみたけど、「いや、すぐ入団したい」と言われ、もはや否定することはできなかった。

そうして4ヶ月が経ったのだが、ある人からこんな話を聞いてしまった。
Kさんに、「合唱団、慣れましたか?」と聞いたら、「今日は忘れてたのに、嫌なこと思い出しちゃった。毎週2時間半の練習がとてもつらい」と言ってたと。

何か、嫌な予感がしてたんだよね。
だから、「初めから楽譜は購入せず、借りればいい」「月会費は、1ヶ月ごと払えばいい」と言ったんだけど、自腹で楽譜を揃え、まとめて会費を払った。

気になるので、発声練習の時、意識的に近くに立ってみたが、どうも歌っている気配がない。実際の練習になっても、楽譜のどこを歌っているのかよくわからないみたい。

責任、感じちゃうよ。

しょせん趣味の世界なんだから、やめてもいいの。誰にも迷惑かからない。でもK氏は「途中で投げ出す」ことができない人。大企業出身で、人の何倍も何倍も努力して勝ち残ってきた人だから、「やっぱりできませんでした」という自分は許せないんだ。

とことん粘る…というのも一つの生き方。
3ヶ月、トライしてみたけど合わなかった…というのも一つの生き方。

アナタならどうする?
私なら…7割アキラめ3割ネバるといったとこかな。

私は、挫折した落ち込みを味わったことのなさそな人や、やれなかったことを素直に認められない人には、あんまり人としての魅力を感じない。
もちろん程度問題だけど…

K氏、実はカラオケがとてもうまく、何とか大会で優勝したこともあるんだそうです。その自信がかえってアダになっちゃったのかも。カラオケとは全然違う世界だもん。「できるはず」だったから「こんなはずじゃなかった」ってショックは大きいに違いない。

曲がりなりにも20年歌ってきた私が、一つだけ、言えること。

練習が「つらい」なら、上達はしない。大前提はただ一つ、その音楽が美しいと感じ、歌うことが楽しいこと。であれば、下手でも音が取れなくても何とかなる。

このままほっておけばいいのか。そんなに自分を追い込まないでと声をかけた方がいいのか。それも生意気だし、プライド傷つけそうだし…

あ~あ、私も、ユ~ウツだぁ………