その日になると悪魔はやってくるのだ。
「久しぶり。一年間元気にしてたか?今日はまた勧告しにきたんだよ。お前の寿命が一年確実に減ったと言うことを。勿論一秒一秒減っているのに違いないが、これはあれだ、節目ってやつさ。毎日来るわけにもいかないしさ。そこでお前に聞く。お前は失った一年と同じだけの人生を生き、何かを成し遂げたか?」
小さい頃の答えは決まっていた。
「勿論さ。」
そうすると悪魔は嘲笑した後憐れみの顔を見せ帰っていった。
僕は近々また同じ質問をされる事になるだろう。
僕は何をしたのだろうか?
何か生産したのか?社会に貢献したのか?
答えは決まっている。
「何もしていない。」
すると悪魔はこう答えるのだった。
「人が社会に対してプラスになるのは極めて難しい。だがその事を簡単にやってのけられる人がいる。プラスにプラスを重ねるのは難しい。だが社会に対してマイナスの人にとってはただそのマイナスを消せばいいだけだ。簡単だろ?言いたい事は分かるね?」
僕はプラスだろうか?マイナスだろうか?
それはわからない。
少なくとも今はわからない。
ただの石ころかもしれないしダイヤモンドの原石かもしれない。
だがひとつわかっている事がある。
今のままではマイナスだという事。
だからこう答えるべきだ。
「何も。何もしていない。」
死神は去っていく。