『潮音』2024年6月号の歌より | 短歌結社『潮音』

短歌結社『潮音』

短歌結社・潮音のブログです。結社の概要、お問い合わせについてはプロフィールをご覧ください。

『潮音』6月号の「探照燈」作品より 

 

 

元夫過去の事とは思いつつ回復祈り昔を偲ぶ 

 

*大石和子



我れ起きる体内時計は十分前 六時セットで今朝も勝ちたり 

 

*宮川静枝



ひっそりと石段に咲くイヌフグリ大地は春を彩りはじむ 

 

*稲垣邦枝
※「石段」に「いしきだ」のルビ




アフガンに日本の医師が為し遂げた三十五年の生きる戦い

 

*忠地千鶴



冬晴れに吹く北風が頬をさす能登に大雪ふらせし風か 

 

増澤康男



五稜郭公園の桜守よりプレゼント散策する人小枝を手にする 

 

*讃岐生子
※「五稜郭公園」に「こうえん」のルビ


「魔の十一分」はじめて知った格言に合点するなり衝突事故で 

 

*大石武夫



今日中に内定通知届くはずポストの奥まで何度も覗く 

 

*黒澤初江



「離婚する」友のラインが届きたり仰ぐ半月かじかみている 

 

*阿久津利江



半世紀共に暮らしし姑とふたりはうじ茶啜り日向ぼこせり 

 

岸本きよの



 

※「作品」は、普通社友の方の作品欄です。「探照燈」は前々月の各欄(今回は4月号)から、その月の担当者が注目した歌をあげ、コメントを加えた欄。ここでは歌のみ紹介します。

*は現代仮名遣い。

 

 

 

 

 

 

(ブログ担当)