『潮音』9月号の「探照燈」琅玕集(後半)より
風薫る黄金週間金高騰金売れうれのチラシ連日
坂本良枝
はるばるとユーラシアよりきて日本の桜の季節を黄砂ふるなり
三井廸子
満地球自信たつぷり月の裏に人の触手はやがて届かむ
和田倫子
水まきにつられて架かる七色に天空に居る愛犬想ふ
中野迪瑠
五月には外の散策許さるるまづまつ先に大輪の薔薇
鈴木富子
桂樹のごつごつの幹に触れるとき畏敬の念がふつふつと湧く
長谷川敬子
散りどきの覚悟のありてガラシヤは人となりしか花となりしか
中西敏子
生垣の平面乱し新芽伸ぶ解放されたる歓喜の声とも
島田まき子
桃のはな霞となりて咲きゐるに陶淵明をふと想ひたり
紺野 敬
向かうの家のオレンジ色のかはいい花吾が家の庭にも移つて来たり
土田安子
呆けても元の性格そのままに意地悪婆さん母は母なり
外村律子
目つむりても歩けるこの路あの角を曲がれば大きな土管があつた
北島邦夫
ポンポンとチャイブの咲いて春の音符二符・四符・八符風に遊べる
吉川久恵
※「琅玕集」は幹部同人とそれに次ぐ方々の欄です。「探照燈」は前々月の各欄(今回は7月号)から、その月の担当者が注目した歌をあげ、コメントを加えた欄。ここでは歌のみ紹介します。
(ブログ担当)
