『潮音』2024年1月号の歌より | 短歌結社『潮音』

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『潮音』1月号の「探照燈」作品より 

 

 

紅白の一糸乱れぬ子供達違う動きで我が子見つける 

 

*木村友美
 

 

 
今日もまた逆さ別れの息の短歌を紙にぶつけて一歩進めり 

 

川田けい子



ゆきあいの空なり炎天の入道雲弱まり黄昏涼風そよぐ 

 

*堀内佐代子

 

 


父母の思い出語る妹も吾も大海原へ余生漕ぎ出す 

 

*岩崎かほる



聞かされた大正琴に恋をして老いて前向き弟子入り志願 

 

*辰巳邦子

 

 


張りつめて生きて来たとは思わねどなべて自分流今は幸せ 

 

*齋藤むつ子



チャップリンの「モダンタイムス」今までは喜劇と思い今は涙す 

 

*森山 正



夏の日の暮れゆく空にスーパームーン患ふ地球やさしく照らす 

 

二川紗都子



スーパーも郵便局も美容室も近くにありて老いを助ける 

 

*加藤博子



続きゆく命の先は見えねども精一杯に生きてやろうか 

 

*永江康代



ティーカップの底に溶け残る角砂糖甘きをすくひて人生楽しむ 

 

首藤小夜華



朝まだき日がのぼりくる山里に無言貫き白き蓮咲く 

 

*川上京子



 

※「作品」は、普通社友の方の作品欄です。「探照燈」は前々月の各欄(今回は11月号)から、その月の担当者が注目した歌をあげ、コメントを加えた欄。ここでは歌のみ紹介します。

*は現代仮名遣い。

 

 

 

 

 

 

(ブログ担当)