翌日、離婚届けを持って出かけたショウくんは、お土産を持って帰ってきた。
「これ」
そう言いながら見せられたのは、茶封筒。
わたしが離婚届を入れた封筒は白かったから、離婚届けではないだろう。
「なぁに？」
と受け取ろうとすると、ショウくんは封筒をスッと引っ込めた。
「え？何？わたしにじゃないの？」
ショウくんは少し考えている様子だったが、わたしと目を合わせると言った。
「これ、チューブさんから」
「ええ？チューブさんから？わたしになの？」
「…うん。ミリンにだって。なんか、チューブさんの気持ちとかが書かれているらしい」
「それをわたしに？」
「うん。今の気持ちと今後について書いてあるから、奥さんに渡してくれって」
もう返す言葉もございませんよ。
お口あんぐりですよ。
あ・ん・ぐ・り
やっぱり色んな意味で、不倫相手って最強です。
堂々と不倫相手の妻に手紙を書いてくるって、
それを旦那に託すなんて、フツーするー？
なんか、会社でチューブさんの評判があまり良くない理由がわかる気がする。
この人の常識は、周りの人にとっては非常識なんだわ。きっと。