ちくま新書:毛内拡著:「「頭がいい」とはどういうことか」第3章まで読みました。
人間の脳の働きについてが主でした。
記憶から何かを発する時、大脳皮質から電気信号によって化学物質を飛ばし、出力側も柔軟に受け取って言語を発する。
この入力と出力をの部分をシナプスと言う。
シナプス可塑性はこの入力と出力の強弱を変えること。
つまり柔軟になるってことみたい。
経験を積むと自動処理して効率化するみたいなのはシナプス可塑性の効果みたい。
ただ歳をとると「こうなればこうする」と確固たる神経伝達ができ、融通が利かなくなるらしい。
新たな知識や経験でアップデートさせれば、また柔軟になれるそうですが、経験をひっくり返すのは意外と難しいかもしれない。
本題の脳を正しく働かせるには、能動的な経験が重要です。
「こうすれば、こうなる。」「こうすると、こうならない。」の経験を学習していくわけです。
未知の体験をしていく中で、自分が形成されていくのかな?
適切なフィードバックがあれば強固に記憶されていく。
脳は予測モデルを作り出す臓器であり、歳をとるごとに予測ができる様になり、未知の恐怖が減って行くのかな?
逆にあれは嫌い、これは恐いと記憶してしまうと、行動パターンも変わって行く。
だから「よく頑張った」「意外と出来てた」「勇気あるね」みたいな適切なフィードバックがあれば能動的な行動をとる人間になるかもしれない。
「あれはやっちゃいかん」「危険だ」とネガティブなフィードバックがあれば、あまり手を出さなくなる。
これは赤ちゃんの頃からずっと続けていることかもしれない。
赤ちゃんが物を投げたり、口の中に手を入れたりするのは自分の身体に関して試行錯誤を繰り返しているのかもしれない。
脳は試行錯誤によって発達し、幼少期の養育者とのスキンシップなど重要で、社会性を身に付ける時期がある。
この時期を過ぎると、社会性を形成するのは難しくなる。
だから幼少期に、親や兄弟、友達や親せきなどたくさんコミュニケーションをとって、たくさん試行錯誤や失敗をした方が、正常な社会性を持った人間に育ちやすい。
能動的に試行錯誤できる環境は人間にとってプラスであり、失敗して多くを学ぶから、できるだけ先回りして答えを与えない方が良いみたい。
記憶の再生能力や情報処理能力は若い方が有利だが、経験は歳を取った人の方が有利です。
歳を取った人の方が思考をする際、複数の視点で物事を判断するが、若い人は短絡的な傾向にあるからかもしれない。
これは経験の差であり、幼少期から思春期に物凄く試行錯誤をしていれば、この差も埋まるかもしれない。
脳は試行錯誤をして発達するので、失敗を許容する社会でないと、脳の発達しない人間ばかり量産されてしまう。
一度も失敗したことないと言うことは逆に未熟であるかもしれません。
失敗した時の処置を知らないからです。(精神的にも物理的にも)
人間は失敗から学ぶ生き物。
どのようにすれば成功するか試行錯誤する生き物でもある。
失敗した時の対応も学ぶ生き物でもある。
何かエジソンやトヨタに通じるものを感じる章だった^^