天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ
(僧正遍照)
Breeze of Heaven,blow closed
the pathway through the clouds
to keep a little longer
these heavenly dancers
from returning home.
(自分なりの和訳)
天国からのそよ風。吹いて戻る家からこれら天国の踊り子を少しでも長く雲を通り抜ける道を閉じて。
(現代語訳)
空を吹く風よ、雲の中にある、天女の通り道を塞いでおくれ。乙女の姿をもうしばらくの間とどめておきたいのだよ。
(感想)
どうも五節の舞姫の少女を比喩で詠んだ歌らしい。
どうりで意味が分からなかったわけだ・・・
「雲の通ひ路」は少女が退出して雲隠れする道のことで、天上から吹く風が吹いて雲を飛ばしてくれってことなのかな?
少女をもっとこの場に留めてくれないかってことか。
天つ風は枕詞で雲を導く。
もしも舞台装置がなければ、死別のシーンも想像できる。
かわいい娘が雲隠れしてしまうので、隠れないように雲を吹く飛ばしてくれ。
そしてもう少し生きながらえてくれ。
ってね。悲しいけど・・・