中公新書:藤田達生著:「藩とは何か」を途中まで読んだ。
土地をどのように統治したかを主眼に置いて読んでいたが、そもそも江戸時代の幕藩体制で国替えが盛んに行われたのはなぜだろうと思った。
鎌倉時代は恩賞としてその土地を頂き、自分の裁量で治める。
室町時代は代替わりがかなり起こっていて、その土地を巡って兄弟など骨肉の争いが絶えなくなった。
戦国期には、他人の土地を切り取って家臣の褒美にした。
織豊時代も褒美として土地を与えた。しかし国替えが頻繁に起きた。
江戸時代は藩の登場で、改易など仕置きと国替えが盛んに起こる。
一つの家にその土地をずっと任せると、一代目はきっちり統治するかもしれないが、二代目以降、親や先祖の七光りでそこの領民との主従関係ができる。
悪政をしても咎められることのない数代目の当主がでてきてしまう。
また、弟とかが兄では統治が出来ぬと争いを仕掛ける。
そこで出て来たのが、仕置きと国替えかとなった。
争いを起こせば、家の取り潰し。
そこの土地を国替えによって、有能だが低い身分の人を出世させるために統治を任せる。
まず3万石~5万石の土地を預けて統治させ、実力を測っているのかな??
江戸時代の割と平和だったのも、藩というシステムで有能な人材を常に引き出し、裁量を与えたことにより、成り立っていたのかなと言う推論。
(まだ最後まで読んでないので・・・)
だから、昭和の企業モデルはこれかもと思った。
課長や部長と段階的に階層的に役職があり、まず少人数を主任という立場でまとめる裁量を与え、成果を出したらもう少し大きな人数の係長や課長にして、まとめる。
しかし裁量を与えているからには、やはり任せることに意義があって、トップダウンが強すぎれば、上の役職からの伝言ゲームになり、階層である意味がなくなる。
また裁量がなければ、ただのロボットという感情も生まれ良くない。
技術屋になりたい人には、資源をガンガン与え、エースを目指してもらい、マネジメントに興味があれば、人と裁量を与え、チームで成果を上げるリーダーになればいいと言う考え。
だから、あながち階層的なシステムは悪くなく、運用の仕方次第なのかなと思った。
※興味本位でなんとなくの推論です。