思うこと(長文です) | 前向いて行こう〜 膀胱がん 再発転移ステージ4 サバイバー日記

前向いて行こう〜 膀胱がん 再発転移ステージ4 サバイバー日記

2013年11月8日に 膀胱がん 粘膜下層浸潤T1G3発覚。約1年後の2014年12月にリンパ節転移。遠隔転移ありのステージ4になっちゃったけど、同時化学放射線治療で奇跡的に寛解継続中!

昨日はまたまた下痢気味で
一日中ゴロゴロ...

念のため、晩御飯を食べずに胃腸を休ませ
お腹にカイロを貼って寝てみたところ
ぼちぼちですが良くなってきました

咳も少し出るので
風邪かな??


今週木曜日は
4ヶ月ごとのCT検査と膀胱鏡検査なので

少しでも万全な体調で臨まねば〜にやり






今日は気持ちのいい晴天  

息子の部屋の布団も干して
毛布も洗って
青空の下、パーンと干しちゃいましょ〜




***


本庶先生のノーベル賞受賞から
オプジーボのことが話題になって

またまたあちこちで 
なんだかなぁ...と感じてしまう発言やら
マスコミの記事やらが目につくようになりました。



免疫療法についての話題が世の中に出ると
鬼の首をとったかのような勢いで
いろいろと発言されるお医者さまたちがおられますが(悪い意味で)

臨床の現場で免疫療法を実際に頑張っている医療機関や、その治療を受けている患者さんたちのどれだけをご存知なのかなぁ、、
と思ってしまうのです。



高額な免疫療法を受けたけれど
効果が全くみられず症状が悪化した人が多くいて
こんなことを言われていた、

と書かれた記事も読みました。


確かにそうだと思います。

保険適用ではない治療なので
患者の負担はどうしても重くなってしまいます。


ただ思うのは、

癌治療はまだまだ分からないことがたくさんありすぎる発展途上のもので、
それは標準治療の抗がん剤治療であっても
放射線治療であっても言えることなのではないかなぁ、


ステージ4の進行がんであっても
抗がん剤治療で何年もQOLを保ちながら生活されている方も大勢います。

反面、私の癌友さんたちのように
残念ながらもう使える抗がん剤が無くなり 
標準治療では打つ手が無くなり
癌を抑えられなかった患者さんも大勢います。


標準治療を受けての結果なのだから
仕方がない、受け入れましょう

となるかといえば
私たちはなりませんでした。






私自身は、標準治療を否定していません。

もしも自分の大切な人が癌になってしまったら
まず標準治療を受けて欲しいと思います。



でも、自分の免疫力を下げ過ぎてしまうと
癌の勢力に到底追いつかなくなってしまうとも感じています。




癌を直接叩く抗がん剤治療は
免疫細胞も同時に叩いてしまうのも確か。

強い治療で癌細胞を叩いて縮小を目指すことと
免疫細胞の力が発揮できる環境にしておくこと

このバランスをどう取るか。


せっかく抗がん剤や放射線治療で癌そのものを叩いても、
今の医療技術では100パーセント癌を消滅させることが難しいのであれば
自分の免疫細胞が残った癌細胞を叩けるようにしたい。

癌と引き分け以上に持ち込むために
それだけの免疫力をどう残すか。





***



鬼の首をとったかのように発言されている医師の方々の言われていることも一理ありますが
十把一絡げではないです。


あのような発言のされ方は
発言主が医師であるだけに
標準治療での打つ手が無くなった人にとっては
その後の治療の選択肢を奪ってしまう危険性があります。


免疫細胞療法を受けている患者さんは
標準治療を受け続けてきたけれど打つ手が無くなり
免疫がとても下がった状態で受診されることが多いのではないかとも感じます。



マスコミも含めて
表現の仕方をもっと考えていただきたいし
実際に臨床の現場で頑張ってくださっている医療機関や、その治療で癌と共存している患者さんたち、
抗がん剤や放射線治療等との併用を試みて結果が出ている医療機関についても
ちゃんとした取材と正確な発信をしていただきたいと願います。


公正な立場で、
ケースの集約、分析、解析をしていただける機関が出来て欲しいとも思います。


何か今後の癌治療の開発、新しい事項の発見等に繋がるデータが出てくることを期待します。



また、私たち患者も
一方の発言だけを鵜呑みにするのではなく
いろいろな情報をまずは集めて
吟味していく姿勢は必要と感じます。


医師であったとしても
自分の命の責任はとってはもらえない。

誰のでもない
自分の命のことなのですから。







***



私の仕事は、人に関わる専門職です。


この仕事をしていると
知識が邪魔になることをたびたび経験します。

「専門バカ」という言葉をよく使うのですが
学んできた専門知識が目隠し、色眼鏡になってしまい
ときに目の前の事実を見えなくしてしまうことがあります。


職場の相棒である後輩は
この世界に入ってまだ2年半なので
経験が浅く
どうしても、学んできたことに依存し過ぎてしまいがちで
目の前のその人自身を見ているようで見ていないことがあります。

かつての自分も同じで、
何度も失敗して、後悔を繰り返しながら 
この仕事とはどういうものであるか、
何をすることなのか、
が分かってきました。



医療の世界も
全く同じとは言いませんが
似たところがあるのではないか、

このところのゴタゴタを見ていて感じでいます。




知識に人を当てはめてはいけない

目の前のその人の状態に必要な知識を使う

知識は武器であって、目的ではない




標準治療
先進医療
自由診療


沢山の治療法の間で
これが絶対だ!
他はダメだ!

と争うのではなく

目の前の患者さんに、どの治療が必要か

そう考えて治療に臨むお医者様が
たくさん増えていきますように。