入院生活 (夜の病棟) | 前向いて行こう〜 膀胱がん 再発転移ステージ4 サバイバー日記

前向いて行こう〜 膀胱がん 再発転移ステージ4 サバイバー日記

2013年11月8日に 膀胱がん 粘膜下層浸潤T1G3発覚。約1年後の2014年12月にリンパ節転移。遠隔転移ありのステージ4になっちゃったけど、同時化学放射線治療で奇跡的に寛解継続中!


私の入院していた病院は
朝と夕方の2回、回診があります。

夕方5時半から6時頃にかけて
何人かのお医者さまたちが、各病室を出たり入ったりしながら担当する患者さんの様子を見て回ります。


私たちの病室は廊下の一番奥なので
回診も一番最後。

K先生に食事をどのくらい摂ることができたか、とか、気分はどうか、とか
体調の変化はどうか、などを報告したり
体調面の心配事を聴いてもらったりしてから
最後におまじないの握手をしてもらいました。


泌尿器科は基本、外科なので
大きな手術が入って長引いているときは
看護師さんが
「今日の回診はなさそうですね
と教えてくれました。

そんな日は
気持ちがちょっぴり凹んでしまって汗

それくらいにK先生の穏やかな声と握手は
私に頑張る力をくれていたのだなぁ...と思います。


その後はまた、
食堂までふらふらと歩いて行って
漢方薬の十全大補湯を頑張って服用してから
白ご飯に、夫が買ってきてくれたわさびふりかけを掛け、
食べられそうなおかずから、少しずつ
ゆっくりゆっくりいただきました。

白ご飯がなかなか入っていかないときは
お茶漬けにして流し込んだり、
栄養士さんが「お粥にしましょうか?」と言ってくれて、本当は前もって言っておかないといけないところを、お粥に変えてくれたりしました。


同じように、副作用でなかなか食の進まない患者さんもいて
ある日その男性患者さんから、私がご飯に掛けているわさびふりかけのことを尋ねられました。

しばらくふりかけについてお話した後、
「さっそく奥さんに買ってきてもらおうと思います。ありがとうおねがい
と、少し安心されたように言われました。


ご飯が普通に食べられることを
当たり前だとずっと思っていたけど、
本当は、とても幸せな、とてもほっとする
有り難いことだったことを
食堂に来るたびに思うのでした。




夕ご飯をなんとか終えて、病室に戻る途中で
看護師さんや看護助手さんに
食べられた量を報告したら

9時の消灯時間までの間、
体調がそんなに悪くなかった頃はテレビを観たりして過ごしました。

ちょうどその頃から 
「ドクターズ3」が9時からやっていて
観たくても観られなかったのが残念で残念で笑い泣き

9時になんて早すぎて眠れないし
観たい番組は大抵9時や10時からだったし

消灯時間がせめてもう1時間遅かったら良いのになぁ〜と、何度思ったことか汗



それと、そうそう

夫がほぼ毎晩8時半過ぎに 
病室に顔を出してくれて、
洗濯物を持ってきてくれたり、持って帰ってくれたり 
具合の悪い時にはずっと背中をさすってくれたりしました。

9時になると駐車場が閉まってしまい車を出せなくなってしまうので
8時50分になったら「また明日ね。おやすみ」
と言葉を交わして帰っていきました。

仕事してからそのまま病院に来て
家に帰ったら、今度は息子の分も含めてご飯を作って
洗濯してお風呂入って寝る...

そんな毎日を夫は送っていたのだなぁ、


自分の奥さんで、子供の母親でもある私が
この先どうなるのか分からなくて
きっと不安をたくさん抱えていたはずなのに
私の前ではいつもと変わらない夫でした。


大変なのは私たち患者だけじゃないよなぁ、
家族だって、とっても大変な日々を過ごしてるんだな、、




夫が帰り、テレビも観られず
病室や廊下も消灯になり

でも目が冴えてなかなか寝付けずあせる


ナースステーションの機械音が廊下に響く中、
どこかの病室から
認知症の高齢女性患者さんが
「お巡りさん〜、助けて〜」
と言ってる声が聞こえてきたり、
男性患者さんが「お〜い、お〜〜い」
と看護師さんを呼ぶ声が何度もしたり...

そんな音や声にもだんだん慣れていったのですが
寝付けないのはずっと続いていました。


長い、長い、

ほんとに長い夜だったなぁ〜