安易な外壁の重ね張りリフォームには色々と問題がある | 秋田県大館市を中心に超省エネ・超快適な家造りを探求するブログ

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②是非とも実行してほしいこと

③絶対にやっては行けないこと

などをおつたえしていきます。

【2024年 3月 11日】No1695


大館市で快適で省エネな住宅の
設計と施工をやっている
直洋建設の砂川です。

 

 

今日もご覧いただき

ありがとうございます。

 

 

先週からあるお宅を解体しております。

分別解体が義務なので

スタートから数日は人力による手壊し

 

 

昔の様にいきなり重機で壊し始める

ことは出来ません。

 

 

手作業で

アルミ、鉄、ガラス、木材、石膏ボード

断熱材といったように

種類ごとに分けて処分する為です。

 

 

今日からようやく重機が入り

バリバリと解体が始まりました。

元々ここにお住まいだった方の心境も考え

画像処理してます。

 

 

危なくない側にまわり写真をとってます。

築30年経っていないお宅だそうですが

外壁を一度改修工事しておりますね。

グレーの外壁が建設当初の外壁です。

材質は窯業系サイディング

分かりやすく言うとセメント系の板です。

私達プロは外壁を見ると大体の年代が

分かります。

この柄からすると

平成6年~8年頃の外壁じゃないかなはてなマーク

平成1桁時代の窯業系サイディングは

非常にモノが悪かった・・・汗

 

 

反る、縮む、色褪せる

そして何より凍害が起きる

 

 

 

外壁をリフォームした理由が

見ただけで分かります。

 

現状を解説すると以下の写真通りです。

古い外壁の上に木材を打付けて

その上に新たな外壁を張ったのです。

 

いわゆる

重ね張り工法というやり方です。

 

昔、CMでやってた 

パッとサイデリア~音譜

もこのスタイルです。

 

 

重ねて張った外壁材は金属サイディング

 

凍害に合わないという点と

重量が軽いので

建物に重量負荷を増大させない

という点においては

正しい選択肢と言えます。

 

重ね張り工法は外壁を剥がさず

上から新しい外壁を張る。

施工も簡単だから短期間で済む

元々の外壁を剥がさないのでゴミが出ない

 

 

そういう意味ではエコで

安上がりな施工方法と言えます。

 

 

エコロジーとエコノミーを両立出来る

なんて素敵な工法なのでしょう音譜

 

 

 

ただ問題もありますびっくり

 

 

正に今、解体しているお宅の写真です。

重ね張りした外壁を剥ぐと

壁の中は真っ黒ですガーン

黒くなる事に関しては

必ず、水、水蒸気、湿気が関与しております。

 

 

こちらの面は黒くなっていないのに

ある箇所では黒くなっている…

何故なのでしょうかはてなマーク

 

 

キーワードはです。

 

 

先ほどの写真を解説すると以下の通りです。

 

 

重ね張りした外壁単体では

弱点にはなり得ないのですが

窓が関係してくるとその周辺には

問題となる箇所が沢山あります。

 

 

まずこの写真・・・

外壁に木を打付けて更にその上の外壁を

貼っているので

外壁面が窓枠より出ております。

重ね張り工法の場合は

どうしてもこういう事になりがち

・・・というか

最初からサッシが大きく出ていない限り

こうなるのは仕方のない事だと

思っていた方が良いのです。

 

ちなみに

最初からサッシが大きく出ている状態とは

どういう状態なのでしょうかはてなマーク

 

 

通常、多くの木造住宅は

外壁よりもサッシが外に出ております。

これをサッシのチリ寸法

もしくは単にチリといいます。

 

 

このチリ寸法がうんと大きく出ていれば

問題無いのですが

 

 

サッシメーカーによって違いはありますが

チリ寸法は30mm程度と

それほど大きな寸法では無いので

 

 

外壁を重ね張りすると

サッシよりも外壁の方が出てしまいます。

これが問題ビックリマーク

 

 

でもこれは寸法上避けられ無い事なので

ある意味仕方がない・・・

という解釈のもと

重ね張り工法はいまだに存在します。

 

 

でもそこに

いろいろ厄介な問題が潜んでおります。

 

 

外壁を窓と納めるには

コ型の部材に外壁を挿し込みます。

これ自体は問題ではありません。

 

別な写真をご覧ください。

 

 

⑧シーリング材は大きな弱点です。

外壁の方が出っ張っているので

雨水を受ける形となっております。

これは上向きシールといって

本来は避けなければいけない事です。

⑦角納め部材もリベットで施工しているので

丁寧さは伺えるものの

雨水の侵入経路となり得る弱点と言えます。

 

 

 

反対側を別な角度で撮った写真もご覧ください。

ある意味仕方のない事を

やってしまっているので

シーリングがあちこちに施工されております。

 

 

これも良く見る光景ですが

シーリングを施工しているという事は

 

 

 

そこから水が浸入する恐れがある事を

事前に分かっている証拠でもあります。

 

 

アルミサッシの様な

組立てる系のサッシです。

 

縦の部材(赤)と横の部材(青)が

ビスで組み立てられております。

縦部材と横部材の接合部は雨水の侵入経路となるので

サッシメーカーでは防水の為

ブチルゴムを挟み込んで部材を組立てます。

ですが、このブチルゴムも

永久的に防水性能を維持する訳ではありません。

 

 

 

ブチルゴムの分子式です。

他のゴム類と比較すると二重結合の部分が少ないので

化学的に安定しておりますが

 

 

劣化しにくいと言われるブチルゴムですが

やはり二重結合の部分は

オゾンや紫外線により劣化しない訳ではありません。

 

 

いくらブチルゴムを挟み込んで

組立てていたとしても

劣化したブチルゴムは固くなりひび割れしており

初期の防水性は期待できません。

 

ですので黄緑色の部分も弱点となります。

因みにサッシ部材の接合部は雨水だけではなく

室内で発生した結露水をも壁内に侵入を許し

柱や土台などの構造体をも蝕みます。

これら複数の弱点から

雨水はどこに侵入するのでしょうかはてなマーク

 

 

まず、外壁そのものに水が浸みていきます。

 

次に、外壁の内側にも浸みていき

下地の木材をやがて腐らせることとなります。

そして更には

元々の外壁にまで悪影響を及ぼします。

 

 

 

 

一般的ではありませんが

弊社の事務所の様に

最初からサッシが外壁よりも引っ込んでいる

そんな収まりもありますが

こう見えても考え抜かれた収まりなんです。

非常に手間も掛かるし技術も要するのですが

ガルバリウムの1枚板を切れ目を入れずに

折って曲げて一体加工した水切り板

雨水の壁内侵入防止に対して

絶大な仕事をしてくれております。

 

 

でも一般的な外壁の重ね張り工法で

ここまでやっているところは極稀でしょう。

 

 

色々書きましたが

これらの弱点と問題の原因については

物理的に起こり得ることを

客観的にお伝えした事です。

 

 

まあ大丈夫だろう・・・

ではなく

 

 

いつか必ず起こり得る事だと

思っていた方が良いのです。

 

 

ただし勘違いの内容に追加説明をしますが

 

重ね張りしてもなお

サッシの方が外壁よりも出ている

(チリ寸法が確保できている)ならば

問題はほぼ起きないでしょう。

 

 

 

もしくは

シーリング箇所を

高耐久のシーリング材を用いて

2重シールするなどの特別な配慮をする事で

この問題を大きく回避できるでしょう。

 

 

 

安易な重ね張りは

安かろう悪かろうの結果となるので

弊社ではそのような施工の依頼を受けた場合

 

 

なぜそれがいけない事なのかはてなマーク

これを必ずご説明致します。

 

 

説明した結果、依頼主が

それでも良い❗️

・・と納得したからと言って

外壁の安易な重ね張りはやりませんけどね汗

 

 

 

軒の出の無い、いわゆるキューブ型の

軒ゼロ住宅であればなおさらです。

 

 

 

先ずは古い外壁を剥がして

下地となっている木材の健全性を確認して

 

 

不良個所があれは交換するなどの処置を

講じた後に新しい外壁を張り直す。

 

 

外壁リフォームは

これに尽きます。

 

 

私の持論ですが

すべき事をちゃんとしっかりやる事が

一番のローコストなのです。

 

 

本日も最後までお読みいただき

ありがとうございます。

 

では、また明日。

 

 

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2018年7月に
移転してます。
距離にして50m程ですが・・・
 

 

 

 
 
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『開く』をタップしてください。

 

 

 

するとGoogleマップが立ち上がります。

画像はiPhoneの画面です。

 

画面下の方に

『ナビ開始』というボタンがありますので

タップしてください。

 

 

音声ガイド付きで

ナビが始まります。

 

 

 

目的地に到着するとそこには

こんな建物があります。

一見住宅の様にも見えますが

直洋建設株式会社の事務所です。

建物の前がコンクリート舗装されておりますので

そこが駐車スペースになっております。

 

 

 

お越しの際の注意点

 

Googleマップからのナビの場合

ちゃんと案内してくれるのですが

 

車のナビの場合

地図情報が更新されていない

昔の事務所の場所に案内されてしまうようです。

これがかつての事務所

現在は車庫と物置になっております。

お間違い無き様

お願いいたします。

 

 

 

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