W不倫 遠い日の花火 -4ページ目

W不倫 遠い日の花火

ある日突然始まってしまった既婚者同士の恋。興味のない方はどうぞスルーしてください。ゆっくりと綴っていきます。

とある夏の日の午後。


汗ばむ身体とは裏腹に、心は躍りながら


待ち合わせの駅を目指した。


つい先ほど、「もう着いたよ」と彼女からメール。




込み合う駅の雑踏の中、彼女だけが色鮮やかに見えた


ゆっくり近づく


あと5,6メートル


まるでスローモーションのように


彼女は僕の方を振り向いた。


「おう、ユウ  久しぶり、待たせたかな」


「ううん、全然待ってないよ」




それ以上互いに言葉が出てこない。



二人並んで歩き出す。


「喉乾いたね」


「うん、カラカラ」と彼女。


右手をぎこちなく彼女のほうへ。


さりげなく彼女は左手を絡めた。


汗ばんだ手のひらは暑さのせいだけではなかった。


大多数の夫婦は、年月がたつとどうして手を繋がなくなる


のだろう。


スキンシップは大事だよな、などとこの状況に至っては


不謹慎なことを考えていた。




程よくクーラーの効いたこ洒落た店。


キンキンに冷えたビールで再会を祝って乾杯。


「うまい!」と僕


「ん~美味しい」と彼女


日頃のメールでは何でも話していた。


メールの回数が足りないほど。


もどかしいほどに。



今はすぐ隣に待ち焦がれた彼女がいる。


会話の一つ一つが全身の神経に行き渡る。


ビールが2杯3杯とすすんでいく。


逢う前は若干の緊張と不安も、もうすっかりない。


酒の力も手伝って、彼の耳元で


「早くユウを抱きたい」と言った。


「うん」と頷く彼女。



彼女の白い肌が淡いピンク色に見えた。