今回の災害では過去の例のない被害が首都圏を中心に報道されていて、被害に見舞われた方におかれては、まずお見舞いを申し上げたい。川の氾濫で住宅が浸水して相当な被害があった地域も多い。

しかし、人命にかかる被害は災害の規模と比較して少なかったようにも思う。事前の報道や広報などの周知が徹底されていた効果があったのかもしれない。それでも被害者の皆さんは傷ついたことだと思う。

 

少し不謹慎かもしれないが、小松左京作『日本沈没』がよぎる。沈みゆく日本の行方を暗示する。あるは黒澤明監督の『夢』のエピソード「赤富士」などもよぎる。原発に反応した活火山の富士山が噴火する話だ。

 

年々災害の規模が甚大になる気がする。その要因を単一化することは意味がないが、先だって国連でグレタさんという少女の厳しい演説が去来する。日本がモンスーン化しているかもしれない、という自国の変化は世界の一部だ。そして台風などの気候災害も日本人として思うこと以上に世界は大変な変化に見舞われている。

 

世界経済の成長が止まりつつある今、人口だけは膨張しエネルギー問題も喫緊の課題であることは間違いない。そんな中で広がる貧富の格差。この状況をどのように整理するかで災害の度合いや変化を憂うことはできまいか。