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都築政昭著、ポプラ新書から2016年9月6日に発刊されました。

久々のクロサワ本。

表紙にある言葉

「人間はどうして、わざわざ不幸になろうとするのか」

これがこの本を通して、著者にフィルターを通した黒澤明はメッセージなんですね。
そしてこの黒澤明のメッセージの原点にはドストエフスキーが存在します。『白痴』の主人公のように善良であることが馬鹿に等しいとされることにどんな意味合いがあるのか。

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『赤ひげ』に出てきたおとよのエピソードは山本周五郎の原作にはなく、ドストエフスキーの『虐げられた人々』から取り込んでいる。

晩年のクロサワ作品の多くは悲劇が多いんですけども、彼が晩年に感じた世の中のことが映画の隅々に生かされていますね。

都築政昭先生は黒澤明研究の第一人者とて、この本を入門編として書かれてますね。

大変読みやすくわかりやすい本でした。