私に何ができただろうか | chokoが出会った不思議な光景

chokoが出会った不思議な光景

まるまるもけもけした動物が大好き♡

ちょっと心残りのご納棺になってしまった話。

 

いつも通りの施行の予定

納棺式スタート1時間前にホールに入り

お着替えと綿詰め・保湿などのお世話。

病院で亡くなられて

浴衣をお召しとのことでしたが

「病院の浴衣は絶対いや」

という喪主様のご意向を伺っていたので

浴衣の上から着せることなく

仏衣をお召しいただきました。

 

途中でスタッフの方が

「葬家が遅れる、

何人来るか、情報が錯綜している」と。

 

余裕をもって支度をすればいいのか

と思っていたら

「来るか来ないかわからない」と。

 

…どうする??

エンドレスでは待てない、

1時間後ご出棺予定。

そして私自身も次の現場入ってます。

 

「ご納棺だけ先にさせていただき

喪主様がご到着されたら

お棺の中で旅支度していただければ」

というご提案をさせていただいたんですが

待てど暮らせとお見えにならない。

スタッフさんから

「遅れるという連絡も来ないし、

誰も来ないかもしれない」

 

ええ~びっくり

 

ということで

ギリギリまでお待ちしましたが

葬儀社さん側から、

(出棺に)間に合わないから全部やっちゃって」

ということで

旅支度をして、ドライアイスもお体の上に置き

お布団をかけて

お棺の蓋を閉めようとしたところで

喪主様到着ガーン

 

実は急に亡くなられて

まだ受け入れがたいと。

(納棺に)立ち会うかどうか迷ったけれど

顔だけでも見たい」と。

 

故人様に触れていただければと思い

促しても、悲しみが深すぎて

触れることも出来ない。

ご出棺までのわずかな時間を

お部屋でお別れをお取りいただくよう

お話をさせていただいたんですが

”2人きり(故人様と)は辛い”と

お線香だけ手向けて帰宅されました。

 

私には何も出来なかった。

お口を閉じたことは安心されたようですが

一緒にお世話をすることもなく

触れることさえできない中

本当は納棺式には辛すぎて

参列したくなかったのかもしれない。

私はお声がけもほとんどできませんでした。

 

あまりに突然で信じられない出来事、

他の親族の方も急すぎて

納棺式に駆け付けられない

とのことだったので

ひとりでその悲しみを背負ってしまう形に。

ひとりでの立会は辛すぎたのかもしれません。

 

本当に何もできなかった。

どうすればよかったのか

喪主様がお見えになるまでは

”酸素マスクの傷も隠したし

喜んでいただけるかな”

なんて思っていたのですが

その説明も”聞きたくない”

という感じでした。

 

関わりたい、関わりたくない

複雑な思いが交差しているような。

 

自分の力の無さを感じてしまった現場でした。

 

それでは本日もお疲れさまでした。